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社会福祉

「『寝たきり老人』のいる国いない国」を読んで。 2014年03月29日

テーマ:社会福祉

「『寝たきり老人』のいる国いない国」(大熊由紀子 ぶどう社 1990)を読みました。この本が日本の高齢者福祉、とりわけ2000年から施行された介護保険制度に多大な影響を与えたということは以前から知っていましたが、読んだのは初めてです。

 著者は出版当時、朝日新聞の論説委員であり、80年代に北欧(デンマーク、スウェーデン)では日本のような「寝たきり老人」は存在しないということを知って衝撃を受け、本書を著したとのことです。著者は、①高齢者福祉は、施設中心から在宅中心に移行すべきである、②そのために在宅福祉を家族、ビジネス、ボランティアに頼るのではなく、行政(特に市町村)の責任で整備すべきことを提案しています。私は著者の主張に大賛成です。この本の出版から24年が経ちましたが、古さを感じさせません。しかしそれだからこそ、その後の介護保険制度の展開が公的な責任で行われず、著者の提案からかけ離れたものになってしまったのはつくづく残念だと思います。

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