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相続・遺言

相続人の行方不明⑴ 2017年06月08日

テーマ:相続・遺言

相続が発生し、亡くなった方(被相続人)の財産の名義を相続人に変更するためには、遺言書がない限り、遺産分割協議書という書類に相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を提出する必要があります。ということは相続人の中に一人でも行方不明の者がいると、預金を引き出したり、不動産の名義変更をすることはできなくなります。そこでこの場合は何らかの対処をする必要があります。

まず気をつけなければならないのは、一般に「相続人の行方不明」と言われているケースの中にはむしろ「連絡先不明」というべき場合が多いということです。つまり長年、交流がないため、住所も電話番号も知らない、さらに生きているかどうかも知らないという場合があります。この場合は戸籍謄本と戸籍の附票を取得すれば少なくとも生死と住民票上の住所はわかります。当事務所の経験でも戸籍謄本と戸籍の附票を取得し、住民票上の住所に手紙を出したところ、相手の方から連絡があったということが何件もありました。

問題はこのような「連絡先不明」ではない場合です。すなわち戸籍上は生存しているにもかかわらず、住民票上の住所には居住していない場合です。このような場合に対処するための制度が民法第25条以下に定められている①不在者の財産管理人と②失踪宣告です。次回はこれらの制度を説明したいと思います。

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