テーマ:債務整理全般
破産した商工ローン会社の(株)SFCG(旧商工ファンド)の債権を請求する支払督促が届いたという相談が連続してありました。SFCGから債権を譲り受けた合同会社が、債権回収会社(サービサー)に取立を委託し、サービサーが代理人として支払督促を申し立てたものです。
支払督促とは、金銭債権の請求について、債権者の申立だけで認められる督促方法です。支払督促は債務者が異議を出せば失効して訴訟に移行するし、債務者が異議を出さなければ確定し判決と同じ債務名義になります。債権者にとってのメリットは、わざわざ裁判所に行かなくても債務名義を得られる可能性があることです。
今回の支払督促の特徴は、請求の趣旨が140万円の一部請求になっていることです。これは債権回収会社の訴訟代理権が、簡易裁判所の訴額140万円以下に限定されているからです。これ以上の請求をするには弁護士に委任しなければならないので、あえて140万円にしているのでしょう。一部請求というのは聞き慣れないかもしれませんが、債権全部(例えば300万円)の一部(例えば140万円)についてとりあえず請求するという請求の仕方です。注意しなければならないのは、仮にこの支払督促に基づいて140万円を支払っても、残りの160万円の債務は残ることです。つまり一部請求後の残部請求は認められるということです。
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元ネオライングループの(株)クラヴィスが昨日、7月5日に破産しました。同社は、リッチ→ぷらっと→クオークローン→タンポート→クラヴィス と目まぐるしく名前を変えた会社で、クオークローン、タンポートの時代はプロミスグループに属し、ネオライングループになってからクラヴィスになりました。ただ現在はネオライングループと資本関係はないとのことです。
他のネオライングループ同様、過払金をまともに返還しない会社で、私としては破産自体は当然だと思っています。しかし存続がネオライングループの利益になれば、過払金を返還しないまま存続し、利益にならなければ譲渡や倒産という同グループの手法には腹立たしい思いです。
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プロミス(株)から「社名変更のお知らせ」が届きました。7月1日より、プロミス株式会社から「SMBCコンシューマーファイナンス株式会社」に社名変更するとのことです。
SMBCとは、三井住友銀行のことです。プロミスの名は、サービス・ブランドとして引き続き使用するようです。会社名を新生フィナンシャル(株)として、ブランド名としてレイクを使用した新生銀行グループが成功したように見えたのでしょうか。
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5月9日、NISグループ(株)が民事再生の申請をし、倒産しました。ネオライングループの倒産としては、昨年のSFコーポレーションに続き、2件目です。
私は、昨年の11月にNISグループから、「過払金の5%の返還」という提案を受け、「そんなに経営が厳しく、過払金の5%しか返還できないのであれば、早く破産などの法的整理を行うべきでしょう。他のネオライングループも同様ですが、そのような会社が存続しているのは非常識です。」とブログに書きました。この考えは今も変わっていませんので、その意味では納得しています。
ちなみに上記の件は、依頼者が早期解決を希望したため、7%弱で和解をし、今年の2月に入金されました。私としては不本意な和解でしたが、入金が5月9日以降だったなら7%弱の返還も無理でしょうから、少し気分が晴れました。
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昨年末のニュースです。会社更生中の武富士のスポンサーがA&PグループからJトラスト㈱に変更になりました。A&Pグループが資金を調達できなかったのが原因です。
Jトラストは、旧(株)イッコーで、現在はネオライングループです。したがって他のネオライングループ同様、過払金はまともに返還しないが、任意整理による分割弁済は認めないという会社です。A&Pグループは韓国の貸金業者で、私はまったく知りません。今となってはJトラストよりまともかどうかを判断する機会もなくなりました。しかし武富士もネオライングループになることになって、私は気分が重いです。
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先週、(株)SFコーポレーションの破産管財人から、「会社破産についての重要なお知らせ」というはがきが届きました。その中には東京地方裁判所の破産手続開始通知書ものっていました。そこには「当裁判所は、本破産事件について、破産者の財産で債権者に対する配当ができない可能性が高いと考え、破産債権の届出期間と破産債権の調査をするための期日を当面定めないこととしました」とあります。
SFコーポレーションは過払金の債権者からの破産申立に対し、支払能力はあると主張していました。そのことと「破産者の財産で債権者に対する配当ができない可能性が高い」こととの整合性はあるのか、破産手続を通じて明らかにして欲しいと思います。
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名古屋に本社のあるライオンズリース(株)という貸金業者がやっと取引履歴を出しました。6月に受任通知書を送り、取引履歴を請求したところ、開示がなかったので、7月に電話で催促したら、1年半前からのものを出しました。しかし実際の取引は平成13年くらいから始まっていたので、取引当初からのものを出すように連絡したら、「わかりました」とのこと。それでも開示がなかったので、8月に再度、連絡をしたら、「8月中に送る」という回答でした。
しかし結局、9月になっても開示がなかったので、先週、愛知県庁の中小企業金融課に電話して、取引履歴を開示するように行政指導を求めました。そうしたら、やっと平成13年からの取引履歴が送られてきました。さっそく利息制限法に基づく引き直し計算をしたら、約21万円の過払いでした。
平成17年に貸金業者の取引履歴開示義務を認めた最高裁判所の判例が出され、18年改正の貸金業法で取引履歴を開示しない貸金業者に対する罰則が定められてから、取引履歴の開示は本当にスムーズになりました。それでもまだこのような業者もあるんですね。
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8月26日(金)、サラ金の(株)SFコーポレーション(旧三和・ファイナンス)が東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けて倒産しました。
同社は昔から問題の多い会社でしたが、2008年にネオラインキャピタル(株)の子会社(ネオライングループ)になってからは、他のネオライングループ同様、①過払金はまともに返還しない、②任意整理をしても一括弁済にしか応ぜず、分割弁済を認めない、という方針を取り、悪質さに拍車がかかった状態でした。
私はSFコーポレーションの破産はネオライングループの初めての破産という意味で重要だと思います。すなわち上記の①過払金はもはや破産手続を通じて返還されるしかないのですが、②の任意整理への対応に変化があるのか、ないのかに注目しています。普通に考えれば、破産管財人が分割弁済を認め、方針転換をせざるを得ないと思うのですが。
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