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個人再生

給与所得等再生はあまり利用されていない。 2011年11月25日

テーマ:個人再生

 個人再生には、小規模個人再生と給与所得等再生の2種類があります。しかしこのブログでは、個人再生は小規模個人再生を念頭に説明しています。全国的に見ても、給与所得等再生の件数は小規模個人再生の10分の1以下です。

 給与所得等再生の特徴は、①定期的な収入を得る見込みがある者が、②手取収入から最低生活費を控除した可処分所得の2年分以上の弁済を行う代わりに、③再生計画案の書面投票を省略することです。しかし最低生活費の算定が現実離れしているため、可処分所得の2年分がけっこうな額になることが多いのです。それこそ小規模個人再生なら100万円の弁済ですむ人が、給与所得等再生だと200万円以上を弁済することになりかねません。そのため給与所得等再生はあまり利用されていません。

 

個人再生では住宅ローンは特別扱いされる。 2011年11月24日

テーマ:個人再生

 個人再生では、裁判所が借金を最大で80%までカットしてくれます。しかし住宅ローンも同じようにカットされるのでは、ローン会社は住宅の処分を求めることになるでしょう。そこで個人再生は、住宅ローンを特別扱いできます。他の借金が80%のカットをされても、住宅ローンだけは1円もカットされないようにできるのです。

 具体的には、再生計画案に一般の債権のカットについて定め、さらに住宅ローン特別条項というものを定めます。その上で再生計画案について債権者の書面投票を行い、可決してもらいます。

個人再生はどういう場合に利用されるか。 2011年11月21日

テーマ:個人再生

 当事務所で個人再生の申立をしたケースをご紹介します。

①マイホームを確保したい場合。
 不動産を手放さず、借金を大幅にカットしたいという場合です。これこそ個人再生の最大の長所です。

②自営業者が事業を継続したい場合
 自営業者が事業を継続したいと希望していて、かつ、月3~5万円の返済が可能な場合です。この場合は破産より個人再生の方が裁判所の理解が得やすいので、個人再生をまず考えます。

③借金の原因がギャンブルの場合
 この場合も破産より個人再生の方が裁判所の理解が得やすいので、個人再生をまず考えます。ただし月3~5万円の返済も無理であれば、破産を考えざるを得ません。

④できる範囲で返済したいと考えている場合
 ①~③にあたらず、したがって破産でも不都合はないのですが、本人ができる範囲で返済したいと考える場合もあります。この場合は本人の意志を尊重し、個人再生を勧めます。

個人再生とはどういう手続か。 2011年11月18日

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 個人再生手続は、今から10年前の平成13年に施行されました。会社を対象にした民事再生の特則として、民事再生法の中に規定されました。それまで個人の債務整理の方法には破産と任意整理(又は特定調停)という2つがありましたが、個人再生は第3の方法と言えるものです。

 個人再生はそれまでの債務整理の弱点を補うものでした。すなわち破産は裁判所が借金の免除を決定してくれるという長所がある反面、マイホームなどの財産があればそれを手放さざるを得ないという短所があります。他方、任意整理(又は特定調停)はマイホームなどの財産を手放さなくていい反面、裁判所が借金をカットしてくれません。そこでマイホームなどを確保しつつ、裁判所が借金を大幅にカットする個人再生が認められました。

 ただし現在、個人再生の件数は全国で破産の1~2割くらいです。当初の予想ほど使われなかったと言えるかもしれません。その理由はまた後日。

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