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株式の特別口座と特定口座は全く別物です。 2014年05月22日

テーマ:相続・遺言

 遺産承継業務を行っていると株式の相続に関わることがあります。株式の相続で間違えやすいものとして、「特別」口座と「特定」口座があります。

 特別口座とは、株券電子化移行時に証券保管振替機構へ預託されていなかった株式について、その時点の株主名義で上場会社が信託銀行等に開設した口座です。特別口座は株主の権利を確保することを目的とした口座といえます。そのため特別口座の株主が死亡して、相続人に名義を変える場合は、相続人が証券会社に有している口座に株式を承継することになります。
 この証券会社の口座には一般口座と特定口座があります。一般口座とは株主自身が株式の譲渡所得税の確定申告をしなければならないものであり、特定口座とは証券会社が確定申告を代行するため、株主が確定申告をしなくてもよいものです。つまり一般口座と特定口座の違いは税金の申告方法の違いです。

 以上から特別口座と特定口座は全く別物であることがおわかりだと思います。

法律講座「終の住処はどこですか?」のお知らせ 2014年04月09日

テーマ:事務所からのお知らせ

法律講座 
  
終の住処(ついのすみか)はどこですか? -施設から在宅へと言うけれど-

 住み慣れた家や地域でずっと暮らしたい-。介護や医療の場所として「施設から在宅へ」という流れが進められてきたのはもちろん理由のあることです。しかし実際に高齢者にアンケートをとると、「家族に迷惑をかけたくないから、自分は施設に入りたい」という回答が5割を超えたりもします。
 介護の分野ではよく在宅とか施設ということばが使われますが、実は在宅と施設の区別は簡単ではありません。例えば有料老人ホームは在宅なのか施設なのか。特別養護老人ホーム(特養)はどうなのか。答えは、特別養護老人ホームは施設ですが、有料老人ホームは在宅です。介護保険法という法律がそのように定義しているのです。
 今回の法律講座では介護保険法や老人福祉法などを紹介しながら、「在宅か、施設か」の問題を考えてみたいと思います。昨年の「生活保護のあり方を考える」に続く「福祉の法律シリーズ」第2弾です。
 尚、今回の法律講座は、沢山の方に参加していただけるよう、下記のとおり2日間企画しました。同じ内容です。ご都合の良い日にご参加ください。

日時  ①4月26日(土)午後1時~3時
    ②5月13日(火)午後7時から9時

場所  鶴舞総合法律事務所 会議室 

講師  司法書士・社会福祉士  天野 勲

資料代 300円(法律倶楽部会員は無料)

主催  つるま法律倶楽部

「『寝たきり老人』のいる国いない国」を読んで。 2014年03月29日

テーマ:社会福祉

「『寝たきり老人』のいる国いない国」(大熊由紀子 ぶどう社 1990)を読みました。この本が日本の高齢者福祉、とりわけ2000年から施行された介護保険制度に多大な影響を与えたということは以前から知っていましたが、読んだのは初めてです。

 著者は出版当時、朝日新聞の論説委員であり、80年代に北欧(デンマーク、スウェーデン)では日本のような「寝たきり老人」は存在しないということを知って衝撃を受け、本書を著したとのことです。著者は、①高齢者福祉は、施設中心から在宅中心に移行すべきである、②そのために在宅福祉を家族、ビジネス、ボランティアに頼るのではなく、行政(特に市町村)の責任で整備すべきことを提案しています。私は著者の主張に大賛成です。この本の出版から24年が経ちましたが、古さを感じさせません。しかしそれだからこそ、その後の介護保険制度の展開が公的な責任で行われず、著者の提案からかけ離れたものになってしまったのはつくづく残念だと思います。

遺産承継業務 2014年02月04日

テーマ:相続・遺言

 現在、何件かの遺産承継業務にたずさわっています。遺産承継業務とは、(厳密な定義があるわけではなく、あくまで私の理解では)司法書士が相続人全員から委任を受け、相続人間の意見を調整して、被相続人の遺産全部を相続人に承継させる業務とでもいいましょうか。

 司法書士は従来から相続登記を通じて相続に関わってきました。しかしそれは不動産のみのことです。また相続登記の場合は、だれが相続するかは相続人間であらかじめ決まっているのが通常です。これに対し、遺産承継業務の遺産は不動産以外に預金、株式、生命保険などあらゆるものを含みます。また相続登記と最も異なるのは、司法書士が相続人の間に入って遺産分割協議をまとめ上げることが期待されていることです。かつてはこのような遺産承継業務が司法書士の業務であるかどうかが不明確でしたが、平成14年の司法書士法改正で財産管理業務が司法書士の付随的業務と認められ、遺産承継業務も財産管理業務として法的根拠を持つようになりました。

 今までは相続人同志のつながりが強いのが普通であったため、相続人は自分たちで利害の調整を行ってきました。しかし今後は相続人どうしが疎遠なケースが増えてくるのは間違いなく、相続人間の利害調整のニーズはますます高まってくると考えています。

土地家屋調査士開業のごあいさつ 2014年01月21日

テーマ:事務所からのお知らせ

 名古屋市瑞穂区に司法書士事務所を開業し、今年の3月で15年になります。このたび土地家屋調査士の登録を完了し、業務を開始しました。

 この15年間、司法書士として登記や債務整理に力を入れてきましたが、近年では遺産承継や成年後見を中心とする財産管理業務が増えてきました。今も家庭裁判所から選任されて、成年後見人、後見監督人、相続財産管理人に就任しています。今後はこれらに土地家屋調査士業務が加わることになります。また従来、境界確定訴訟に関わったことはありませんでしたが、これを契機に研究を始めたいと思います。

 土地家屋調査士の主要業務は、土地を測量し、境界を確定することです。これを境界確定測量(略して確定測量)と言います。今日では隣地との境界が不明確な土地は売却することが困難になっています。ですから売却の予定がある土地は早めに確定測量を行うことをお勧めします。境界の確定には隣地の所有者や道路の所有者である国、県、市の立会が必要ですので、どうしても2ヶ月くらいの期間がかかります。

 第2ステージを迎えた当事務所を今後ともよろしくお願いいたします。登記、測量、相続、成年後見、債務整理などの概要、費用などについてはお気軽にお問い合せください。

相続財産管理人 2013年12月21日

テーマ:相続・遺言

 先日、名古屋家庭裁判所から相続財産管理人に選任されました。ある人が亡くなった場合、その財産は相続人に帰属します。しかし世の中には相続人のいない人もいます。例えば、本人も兄弟もともに子どもがおらず、兄弟が先に亡くなった場合です。その場合、相続財産はどうなるのか。民法は「国庫に帰属する」としています。ただその前に、本人の債権者(「相続債権者」といいます)に相続財産から弁済したり、特別縁故者と呼ばれる者に相続財産を分与しなければなりません。その手続を主導するのが相続財産管理人です。民法は、相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所は利害関係人などの請求によって、相続財産管理人を選任しなければならないと規定しています。今回は本人の財産を管理していた人から私が相続財産管理人になるように依頼され、家庭裁判所がその請求に基づき選任したということです。

 詳しいことは知りませんが、この相続財産管理人の選任が年々、増加しているそうです。要するに亡くなった方に家族や親戚がいないケースが増えているということです。NHKが「無縁社会」と言い、朝日新聞が「孤族の国」と呼んだ状況が相続財産管理人の選任数の増加からも裏付けられています。

NPO法人 2013年11月12日

テーマ:社会福祉

 社会福祉小六法には、特定非営利活動促進法は掲載されていますが、会社法は載っていません。このことに表れているように、社会福祉の世界では特定非営利活動法人(NPO法人)が花盛りです。
  NPOとは、Non Profit Organization(非営利団体)の略です。非営利とは利益配当や残余財産の分配により構成員に利益を配分できないという意味であって、収益をあげてはいけないという意味ではありません。収益をあげなければ事務所を借りたり、従業員を採用することもできませんので、収益を得ることは当然に認められています。それどころか現在はNPOの育成が国策になっていますので、会社に比べても税制面で優遇されています。

「ハートネットTV『動き出した生活困窮者支援』」を見て 2013年10月14日

テーマ:社会福祉

 10月8日のハートネットTV「動き出した生活困窮者支援」を見ました。先の国会で廃案になり、次の国会に提出が予定されている生活困窮者自立支援法案に対する賛成意見と反対意見をともに紹介するという内容でした。

 賛成する意見は、いったん生活保護を受給するとそこから抜け出すのはたいへんである一方、今まで生活保護に至る前の支援策(第2のセーフティネット)がなかったという認識から、生活困窮者自立支援法を評価する考え方です。これに対し、生活困窮者自立支援法は生活保護を抑制することが目的であり、「水際作戦」に利用され、本来、生活保護を受給すべき人が受けられなくなくなるとして、これに反対する意見もあります。

 私自身はまだ迷っていますが、番組の最後の「生活保護に消極的な自治体は、生活困窮者自立支援法ができようができまいが水際作戦をするものだ」という湯浅誠さんの意見に説得力を感じました。そう考えれば、懸念はあるがまずはやってみてはどうかということになります。

CFJから2年がかりで満額回収 2013年10月04日

テーマ:過払金返還請求

 先日、CFJ合同会社から過払金の元本と利息満額の振込がありました。私が受任したのが、平成23年10月12日でしたので、およそ2年が経ったことになります。

 過払金の元本は、約118万円でした。当時も今もCFJは訴訟をせずに満足な回収ができませんので、平成23年12月1日、名古屋簡易裁判所に不当利得返還請求訴訟を提起しました。契約の個数が争点になり、期日を重ねた上で、平成24年5月15日に第1審判決。請求全額が認められました。それに対し、CFJが名古屋地方裁判所に控訴しました。
 控訴審の第1回期日が8月21日、第2回期日が9月25日にあり、平成24年11月20日に第2審判決がありました。第1審と理由付けは異なりましたが、結論は全面勝訴でした。
 これに対し、CFJは名古屋高等裁判所に上告しました。12月19日付でに名古屋地裁から上告提起通知書が届きました。私はまだかなり時間がかかると思ったので、CFJの預金を差し押さえることにしました。上告されているのに差押えができるのは、第1審判決で仮執行宣言というものが認められていたからです。平成25年2月19日に東京地方裁判所に債権差押命令申立書を提出し、2月21日に債権差押命令が出ました。ところがそれに対し、CFJが名古屋高裁に130万円の担保を立てて強制執行停止の申立をし、強制執行停止決定が出てしまいました。こうなるともう上告審判決を待つしかありません。

 上告審は法律審であり、法律問題がなければ期日も開かれません。かと言って時間だけはものすごくかかり、3月27日にようやく名古屋高裁から上告訴訟記録到達通知書が届きました。これには「原裁判所から、事件の訴訟記録の送付を受けました」と書いてあります。名古屋地裁と名古屋高裁は同じ建物の中にあるのですが、訴訟記録が移るのに約3ヶ月がかかりました。判決まではさらに時間がかかり、平成25年9月5日に言い渡しがありました。もちろん上告棄却。

 翌週、CFJに電話したところ、「特別上告をするかもしれない」と言っていましたが、最終的には「9月20日に全額を振り込みます」という連絡がありました。振込総額は約165万円でした。

法定相続分とは何か。 2013年09月11日

テーマ:相続・遺言

 司法書士会から、「民法900条第4号ただし書の規定のうち嫡出でない子の相続分に関する部分に係る最高裁判所の決定がされたことに伴う不動産登記等の事務処理に関する当面の取扱いについて」という長いタイトルの連絡がありました。要するに、今回の最高裁判所大法廷決定(平成25年9月4日)により、平成13年7月1日以降に発生した相続では、婚外子の法定相続分が他の相続人である子の相続分と同率として取り扱われることになることの確認です。

 今回の違憲決定は、法律婚の保護よりも子の差別の禁止を重視したものとして当然、支持できるものです。しかし決定の報道や論評はそこで終わっているものが多く、日頃、不動産の相続登記を行っている司法書士としてはやや不満の残るものでした。その原因は、法定相続分とは何で、実務上はどのように取り扱われているかという「そもそも論」が欠けているからです。

 法定相続分とは、法律(民法)が定めた相続人の持分です。例えば相続人が配偶者と子が2名であれば配偶者が2分の1、子が4分の1とされています。重要なのは、法定相続分は相続人の話し合い(「遺産分割協議」といいます。)で自由に変更できるということです。先の例では、配偶者がすべてを相続することも、子の一人がすべて相続することも自由です。現実には法定相続分どおりに相続する例は少ないと思います。子の間でも父母と同居してきた者と別居している者では、同居してきた子の方が多く相続するのが通常です。ですので私はいつも、「相続分は話し合いで自由に決めて下さい。法定相続分は建前です」と説明しています。
 
 仮に遺産分割協議が成立せず、家庭裁判所が遺産分割審判をするときは法定相続分が基準になります。今回の最高裁の決定は遺産分割審判に対する東京高等裁判所の決定を破棄したものです。

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