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未成年後見 2013年09月02日

テーマ:成年後見

 後見人と言えば今では成年後見人を連想する人が多いと思いますが、もともと法律(民法)は後見には、成年後見と未成年後見の2種類があると定めています。
 未成年後見は、未成年者(20歳未満の者)に親権者がないとき、又は親権者が管理権を有しないときに開始するとされています。例えば父母が離婚して、母を親権者と定めた後、母が死亡した場合は父の親権が当然に復活するわけではないので、「親権者がないとき」にあたります。

 なぜ未成年者に親権者がないときに後見人が選任されるのかというと、未成年者には行為能力=有効に契約などの法律行為をする能力がないからです。そのため未成年者が契約などをするには、法定代理人が代理するか、同意する必要があります。この法定代理人はまず親権者、親権者がないときは後見人です。未成年者とはいえ契約を全くしないことはできないので(例えば高校や大学への入学は契約です)、親権者がないときは後見人を選ばざるをえません。

夏期休暇のお知らせ 2013年08月12日

テーマ:事務所からのお知らせ

当事務所は、8月12日(月)から16日(金)まで夏期休暇です。

最低生活水準 2013年08月05日

テーマ:社会福祉

 今月から生活保護費の引き下げが始まりました。国はその理由として物価の下落や保護を受けていない人との比較をあげています。なぜ物価の下落や保護を受けていない人との比較が引き下げの理由になるかと言えば、現行の生活扶助基準の設定方法が水準均衡方式と呼ばれる方式を採用しているからです。

 生活保護は「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条第1項)を保障するための制度であり、生活保護法第3条も保障すべき最低生活について、「健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」と規定しています。しかしこの規定は抽象的であるため、現実にこの法律を運用するにあたっては、最低生活水準を何らかの方法で確定する必要があります。最低生活水準の設定についてはさまざまな考え方がありますが、これを大別すると最低生活水準を絶対的にとらえる考え方(絶対的水準論)と相対的にとらえる考え方(相対的水準論)があります。前者の絶対的水準論とは例えば最低生活のためには肉が何グラム、魚や野菜が何グラム、必要と言うように個々の品目を一つひとつ積み上げて最低生活費を算出する方法です。この方法はスーパーマーケットで買い物かごに必要な品目を入れていくイメージから、マーケット・バスケット方式と呼ばれています。これに対し、相対的水準論は現行の水準均衡方式が典型で、最低生活水準は、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定する方法です。わが国では1960年(昭和35年)までマーケット・バスケット方式が採用されていましたが、1984年(昭和59年)から現在まで水準均衡方式が採用されています。

 たしかに最低生活のために肉や野菜が何グラム、必要と言われても説得力がありません。それゆえ相対的水準論自体は間違っていないと思います。また物価や賃金が上昇していた時代には相対的水準論が生活扶助基準を引き上げる役割を果たしてきました。しかし現代のようなデフレで、物価も上昇しない時代にあっては水準均衡方式が生活扶助基準を引き下げる理由に使われてしまいます。私はもう一度、絶対的な基準を付け加えるべきだと考えています。そしてその絶対的基準とは、「健康で文化的な最低限度の生活」(憲法25条第1項)という基準しかないと思います。つまり健康で文化的な最低限度の生活とは具体的にどういう生活なのか、食費は月いくら必要で、本代がいくら、旅行は認められるかといった議論をすべきだと考えます。そういう議論をすれば、「生活保護を受けていて、旅行なんかぜいたくだ」という意見も出ると思います。そういう意見も踏まえ、「人間としての最低限度の生活とはどういうものか」を話し合えばいいのではないでしょうか。

連続憲法講座 「貧困と格差を憲法から考える」のお知らせ 2013年07月08日

テーマ:事務所からのお知らせ

日時 7月26日(金)18:30~20:30

場所 日本福祉大学名古屋キャンパス南館(地下鉄鶴舞駅2番出口北200m)

講師 司法書士・社会福祉士 天野 勲

主催 つるま法律倶楽部
  
 今から50年ほど前、「低すぎる生活保護基準は最低生活を保障した憲法25条に違反する」として、国を訴えた裁判がありました。その裁判は原告の朝日茂さんの名前をとって「朝日訴訟」と呼ばれました。第一審の東京地裁は朝日さんの主張を認め、違憲判決を出しました。第二審の東京高裁で逆転されたので、この判決は25条に関する最初で、(今のところ)最後の違憲判決になっています。
 朝日さんが生まれたのは1913年7月ですので、今月が生誕100年になります。また今年の8月から生活保護費の大幅カットを控えており、今こそ朝日訴訟が提起した「人間としての最低限度の生活とはどういうものか」という問題を考えてみるときだと思います。このような理由から今回は朝日訴訟が話の大きな柱です。
 朝日訴訟を本当に理解するためには人権の基礎理論や生活保護法の知識も必要です。そこで得意の(?)生活保護法の条文解説もやります。お楽しみに。

後見人の財産管理 2013年06月12日

テーマ:成年後見

 後見人の最大の任務は財産管理ですが、本人が施設に入所しているような場合は支払は銀行の口座引落で行われるのが通常です。また年金収入はもちろん口座に振り込まれます。したがって後見人が預金の入出金を日常的に行うことはありません。

 逆に意外に多いのは医療、介護、年金などに関する役所への申請や届出です。私が最近、行っただけでも、介護保険高額介護サービス費支給申請、福祉給付金資格者証を得たことによる医療費の還付請求、年金の現況届の提出、市営住宅に関しての収入申告などがありました。こういうことは実際に後見人になって初めてわかることです。

何十人の相続人 2013年05月25日

テーマ:相続・遺言

 現在、相続人が何十人にもなる相続登記で手間取っています。何で相続人が何十人にもなるかというと、相続される人(「被相続人」といいます)が亡くなったのが50年以上も前だからです。その時点では相続人はもちろん数人でしたが、50年もの間に10倍以上になってしまいました。つまり相続人である子が死亡すれば孫が相続人になり、孫が亡くなればひ孫が相続人になりますから、相続人は時の経過とともに倍々ゲームで増えていきます。

 たしかに相続登記はいつまでにしなければならないという期限はありません。そのため相続登記をしていない不動産はいっぱいありますし、「知り合いに聞いたら、『ほっておけばいい』と言われた」という話もよく聞きます。でも司法書士の立場から言うと、やっぱり相続登記はある程度の期間内にしておいた方がいいと思います。

2度目の破産は? 2013年04月24日

テーマ:自己破産

 「以前、自己破産をしたことがあるのですが、もう一度、破産できますか」という相談を何度か受けたことがあります。この質問の答えは「できないわけではありません」ということです。破産法には免責不許可事由というものが定められており、そこには「免責許可の決定の確定の日」から「7年以内に免責許可の申立があったこと」とあります(第252条)。簡単に言えば、破産から7年以内なら破産は認められないが、7年を過ぎれば認められる可能性があるということです。

 ただし専門家に相談すると、できるだけ他の方法を勧められると思います。最近、私が扱った方は個人再生で十分、返済が可能なので、個人再生を申し立てました。もちろん破産以外の方法が考えられないのであれば、再度の破産もあり得るとは思います。ただ、その場合は破産管財人が選任される管財事件になりますので、ある程度の費用は必要です。

社会福祉士事務所を併設しました。 2013年04月22日

テーマ:社会福祉

 名古屋市瑞穂区に司法書士事務所を開業して15年目を迎えました。このたび社会福祉士の登録を完了し、天野司法書士事務所に天野社会福祉士事務所を併設しました。

 社会福祉士とは、高齢、障害、貧困などの理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談援助を行う国家資格です。私は当面、福祉の法律についての講演や学習会の講師、社会問題の研究に力を入れたいと思います。具体的には次のようなテーマです。

 ・生活保護のあり方を考える。
 ・障害者自立支援法はなぜ廃止されなかったのか。
 ・「施設介護から在宅介護へ」は本当に正しいのか。
 ・子ども子育て支援法の何が問題なのか。
 ・借金問題はこうすれば解決できる。
 ・相続、遺言について知っておきたいこと。
 ・成年後見制度の活用法。

 社会福祉士の国家試験用のテキストを読んでみて、現行制度に対しあまりにも無批判であることに驚きました。私は現在の福祉制度に対する批判的検討も重視しています。社会福祉士でもある司法書士として一味違った話ができると思います。おもしろそうだと思ったら声をかけてください。

マスコミは障害者雇用をもっと掘り下げて欲しい。 2013年04月01日

テーマ:社会福祉

 本日、4月1日から障害者雇用促進法の法定雇用率が民間企業で1.8%から2%に引き上げられました。これに伴いマスコミでもよく障害者雇用が取り上げられていました。しかし私に言わせれば掘り下げ不足の記事が多かったように思います。

 障害者雇用促進法では法定雇用率という制度があり、本日から民間企業で2%になりました。これは従業員の2%以上は障害者を雇用する義務があるということであり、50×0.02=1ですから、50人以上の従業員を雇用する企業は1人以上の障害者を雇用する義務があるということになります。ここで障害者とは、身体障害者または知的障害者を指し、精神障害者の雇用義務はありません。ただし精神障害者を雇用したときは、法定雇用率の算出にカウントできることになっています。

 マスコミの多くは法定雇用率の引き上げを歓迎し、精神障害者も法定雇用率の対象に含めるべきという論調でした。もちろん私もそれ自体に異論はありません。しかし障害者の民間企業での一般雇用が進みさえすればいいとは思いません。企業は障害者を法定雇用率を満たすように雇用する義務はありますが、正社員として雇用する義務がある訳ではなく、ましてや自活できるような額の賃金を払う義務があるわけではありません。最低賃金法に違反しなければいいにすぎません。それゆえ一般雇用の障害者の多くはパート、アルバイト、契約社員になっており、月給も10万円にも達しないというのが現状です。マスコミはそういう実態に言及することはほとんどありません。もっと掘り下げた記事を望みます。

アイフルから1年がかりで満額回収。 2013年03月05日

テーマ:過払金返還請求

 昨日、アイフルから過払い金の振り込みがありました。3月4日までの利息を付けた満額の回収でした。私が過払金返還の依頼を受けたのが、昨年の3月30日でしたので、ほぼ1年がかりということになります。

 平成24年3月30日 受任通知発送
 
 平成24年9月7日  第一審判決
 
 平成25年2月22日 控訴審判決
 
 平成25年3月4日  入金

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