愛知県名古屋市瑞穂区 自己破産・任意整理・特定調停・過払金返還などの債務整理、会社設立、相続・遺言、成年後見 天野司法書士事務所

自己破産、そこが知りたい

Q 自己破産をすべきか迷っているのですが

A まず毎月の返済は手取月収から生活費を除いた残りからしかできないという事実を確認してください。例えば手取月収が30万円で、生活費が25万円であれば、月5万円以上の返済はできません(この5万円を「返済可能金額」と呼んでいます)。もし月5万円以上の返済をしているのであれば、それは「借金を返すために借金をしている」だけであり、これにより借金が減ることはありません。借金を減らすためには「月の返済をゼロにする」か「月の返済を返済可能金額以下にする」かの2つに1つしかありません。
 前者の「月の返済をゼロにする」法的手段が破産であり、後者の「月の返済を返済可能金額以下にする」法的手段が個人再生手続や特定調停、任意整理です。
 とはいえ「返済可能金額」がゼロまたはゼロに近い金額であれば「月の返済をゼロにする」ことを選ばざるをえません。このような観点から自己破産をするかどうか考えてみてください。

Q 破産のメリットは

A 「月の返済をゼロ」にできることです。返済可能金額は予想以上に少ないものです。なぜなら生活費には毎月、必ずでる出費(家賃や食費など)以外に、臨時の出費(医療費や教育費など)があるからです。収入がもともと少ないような場合には「月の返済をゼロ」にできる破産はメリットが大きいと思います。

Q 破産のデメリットは

A 破産すると事故情報が信用情報機関に約7年間、登録され(いわゆる「ブラックリスト」)、その間は借入、クレジットカードの利用、ローンを組むことができなくなります。ただこれは個人再生手続や特定調停、任意整理でも同じことなので、破産のデメリットというより法的手段のデメリットといえます。
 破産特有のデメリットとしては後述の職業上の資格制限があります。しかしこれも現在、対象の職業に就いていない人にとっては関係ないことです。
 したがって実際上、破産の最大のデメリットは、所有している不動産(住宅、店舗、工場など)を失うことです。 

Q 職業上の資格制限はいつまで続くのか

A 破産者は会社の役員(取締役など)、有資格者(弁護士など)、生命保険外交員、警備員などにはなれません。しかし実はそれは数ヶ月のことです。すなわち破産申立人が破産決定を受けると「破産者」になりますが、その後、免責決定を受ければ復権して「破産者」でなくなります。そして破産決定から免責決定までの期間は数ヶ月です。
 以上から現在、対象の職業に就いている人は失職せざるを得ませんが、そうでない人は職業上の資格制限はあまり気にする必要はないと思います。

Q 破産するとサラ金にひどい目にあわされないか

A それは心配ありません。金融庁の事務ガイドラインには、貸金業者は債務者等に対して、「調停、破産その他裁判手続をとったことの通知を受けた後に、正当な理由なく支払請求をすること」をしてはならないと規定されています。つまり債務者が破産申立をすれば、貸金業者は電話・訪問・手紙などによる取立が禁止されます。これに違反すれば貸金業規制法違反とみなされ、行政処分の対象になります。そのためサラ金はこの規定だけは守っています。
 また従来から弁護士の受任通知にも取立を禁止する効力がありましたが、2003年4月からは簡裁訴訟代理関係業務を行うことができる司法書士の受任通知にも取立を禁止する効力が認められるようになりました。

Q 同時廃止事件と管財人事件について


A ここで破産という制度について簡単に説明します。
 破産とは、債務者が自分の収入で借金を返済しきれなくなった場合に(支払不能)、破産宣告を行ったうえで(破産決定)、所有する財産をお金にかえて債権者に支払い(換価・配当)、不足分を免除してもらう(免責決定)制度です。そして換価・配当を行うのが裁判所が選んだ破産管財人です。
 しかし債務者の財産が少なくて破産手続の費用すら出ない場合には破産手続をすすめてもむだです。そこで裁判所はこの場合にはいちおう破産宣告を行ったうえで、破産手続を廃止する決定をします。これは破産宣告と同時に行われるので、同時破産廃止と呼ばれます。同時破産廃止の場合は破産管財人は選ばれません。
 つまり破産事件には破産管財人が選ばれる管財人事件と、選ばれない同時廃止事件の2種類があるということです。そして破産法では管財人事件が原則となっていますが、現実の破産実務では破産事件の9割以上が同時廃止事件であると言われています。。  

Q 破産手続はどのくらいの期間がかかるのか

A 破産手続は、破産申立で始まり、破産決定を経て、免責決定で終わります。この期間は同時廃止事件であれば3〜4ヶ月です。管財人事件の場合はばらつきがありますが1年前後だと思われます。 

Q 裁判所には何度も行かなければならないのか

A 同時廃止事件の場合は、破産決定と免責決定の前に裁判官の面接(正式には「審尋」といいます)があるので、裁判所には2回、行くことになります。ただし最近は破産決定前の面接が省略されるケースも多く、この場合は裁判所に行くのは1回だけとなります。
 管財人事件の場合は全部で3〜4回でしょう。


Q 破産するにはいくらかかるのか

A 破産に必要な費用は@裁判所に納める予納金A印紙・切手代B弁護士や司法書士の報酬があります。
 @裁判所に納める予納金は、同時廃止事件と管財人事件で大きく異なります。同時廃止事件では10,290円ですが、管財人事件では手続の始めに個人で40万円、法人で60万円を予納します(負債総額1億円未満の場合)。管財人事件の予納金は主に破産管財人の報酬に充てられます。
 A印紙・切手代は同時廃止事件では約5,000円、管財人事件では約25,000円です。
 B弁護士や司法書士の報酬はかなり個人差がありますので、いちがいには言えません。

Q 破産費用をサラ金から借りてきてもいいのか

A だめです。破産をするということは今後、借金を返さないようにするということです。そして返す意思もないのにお金を借りることは詐欺罪に当たります。これに対し、返すつもりだったけど結果的に返せなくなったことは詐欺罪には当たりません。この違いは非常に重要です。
 また破産法の免責不許可事由にも当たります。免責不許可事由については、Q ギャンブルで作った借金は免責されないのかを見てください。

Q 自分の場合は同時廃止事件なのか管財人事件なのか

 債務者の財産が少なくて破産手続の費用すら出ない場合には破産手続をすすめてもむだです。そこで裁判所はこの場合にはいちおう破産宣告を行ったうえで、破産手続を廃止する決定をします。これが同時破産廃止です。ここにいう「破産手続の費用」とは裁判所に納める予納金のことであり、個人の場合は通常、40万円です。
 以上から、財産が40万円を超えるかどうかが同時廃止事件と管財人事件を分ける判断基準となります。とはいえ現実はかなり柔軟に運用されているので、最終的には裁判官の判断によります。また不動産については特別な問題がありますから、詳しくは不動産と自己破産のページを見てください。

Q 破産申立は自分でできるのか


A もし破産申立を弁護士や司法書士に依頼せず、自分でやれば上記の@裁判所に納める予納金A印紙・切手代だけですみます。事実、そういう方もみえますが、それは100人の内、2,3人のようです(あくまでも名古屋の場合です)。
Q 破産すると不動産は失うのか

A 結論的には、破産すればほぼまちがいなく不動産は失います。 しかし例外もありますので、詳しくは不動産と自己破産のページを見てください。

Q 生命保険は解約しなければならないのか

 掛け捨てでない生命保険は解約するとお金が戻ってきます。このお金を解約返戻金(かいやくへんれいきん)と言います。そして解約返戻金が30万円以上の場合は、保険を解約して一部配当をする扱いとなっています。解約返戻金が30万円未満の場合は、保険を解約する必要はありません。 解約返戻金の額は保険会社に問い合わせれば教えてくれます。

Q 一部配当とは何か

 一部配当とは、債務者の手元にあるお金を債権額に比例した額で債権者に分配することです。
 このような指示が裁判所からなされるのは、同時廃止事件を広く認めるためです。つまり同時破産廃止は債務者の財産が40万円に達しない場合に認められるのが原則です。したがって生命保険の解約返戻金が例えば100万円であれば本来、管財人事件となるはずです。しかし生命保険の解約返戻金は債務者が保険を解約すれば自動的に口座に振り込まれます。生命保険をお金にかえるために破産管財人を選ぶ必要はありません。そこで債務者に生命保険解約返戻金を一部配当させて、債務者の財産を40万円未満とすることにより同時廃止事件として扱うのです。

Q 自動車は持ち続けられるのか

A これは自動車にローンが残っているか、残っていないかで分けて考えてください。
 まず自動車ローンが残っている場合はローン会社が車を引き揚げます。ローン会社は破産者からローンの返済を受けられなくなったので、車を処分してローン残額の一部に充てるわけです。
 次に自動車ローンが残っていない場合はその車の処分価格によります。30万円以上で処分が可能であれば一部配当が指示され、場合によっては管財人事件になります。これに対し30万円以上の処分が不可能であれば問題とされません。この場合は自動車を持ち続けられることになります。なお5年以上前の普通自動車は無価値と判断されます。

Q ローンのある自動車がどうしても仕事に必要なのだが

A 現代は自動車がなくなると仕事ができないという人が多くいます。このような方は破産してローン会社に車を引き揚げられたら生活できないわけです。この場合、自動車ローンに連帯保証人がいると好都合です。すなわち連帯保証人にローンの返済をしてもらう代わりに車の引き揚げを止めてもらうのです。とにかくローン会社としても車を引き揚げるより、ローンを全額返済してもらった方が絶対いいのですから、一度交渉してみる価値はあります。

Q 破産すると家財道具まで失うのか

A 破産法は差押が禁止されている財産(差押禁止財産)は破産財団に属しないとしています。そして民事執行法という法律は債務者の生活に欠くことができない衣類や家財道具は差押禁止財産としています。以上から破産しても家財道具は失いません。現実問題として家財道具を処分してもほとんどお金にはならないでしょう。 

Q 破産すると銀行口座が使えなくなるのか

A 破産すると一定期間、借入、クレジットカードの利用、ローンを組むことができなくなります。しかしできないのはこれだけであり、それ以外の預金や振込等はできます。
 ただし口座のある銀行に対し借入等がある場合は、預金は拘束されて返済に充当され、場合によっては強制解約になります。
よってこの場合は当該銀行口座は使えなくなると考えてください。

Q 家族に知られずに破産できるのか

A 「できるのか」と聞かれれば、「できます」と答えます。しかしいろいろな障害がありますので、まずはご相談下さい。 

Q 会社に知られずに破産できるのか

A 会社には裁判所などから手紙も届かないので、可能性はかなりあります。しかし債権者が給料を差し押さえると裁判所から会社に差押通知が届きます。もっとも差押=破産ではないので、それで会社に破産が知られるわけではありません。 

Q 破産する場合は配偶者と戸籍上、離婚した方がいいのか

A 配偶者が連帯保証人になっていなければ離婚しなくても返済する義務はないし、逆に連帯保証人になっていれば離婚しても返済する義務はあります。したがって形式的に離婚する意味はないと思います。

Q 連帯保証人に迷惑がかかるのだが

A これは破産するとき一番、悩むことではないでしょうか。破産すれば連帯保証人が返済の義務を負うのはまぎれもない事実です。
 まず連帯保証人が家族であれば、いっしょに破産することが考えられます。実際、夫婦・親子がそろって破産することは非常に多いです。
 問題は連帯保証人が家族以外の第三者の場合です。この場合、破産する人が手続終了後に連帯保証人に毎月、返済する額を渡すことができれば実質的な迷惑は避けられます。保証人問題はこのような方法でクリアーするしかないでしょう。

Q 免責とは何か

A これまでは破産と免責を一体のものとして解説してきましたが、正確には別個の手続です。ただし平成17年1月施行の新破産法では、破産手続開始の申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなすとされました。
 要するに破産とは財産をお金にかえて債権者に配当する手続であり、免責とはそれでも不足する債務について責任を免除する手続です。破産は免責を得るために行われます。 

Q ギャンブルで作った借金は免責されないのか

 裁判所は一定の場合には破産者に免責を許可しないことができます。免責不許可事由に当たる場合です。
 免責不許可事由の典型がギャンブルによって借金ができたことです。しかし「ギャンブルもしていた」という程度では免責が不許可になることはありません。また借金のほとんどがギャンブルが原因であっても、毎月、収入から一定額を積み立てた後、積立金を一部配当することにより免責が許可されることも多いです。一部配当はこのような場合にも使われるのです。

Q 滞納している税金は免責されるか

A 滞納税金は破産しても法律上、免責されません。
 ただし破産とは別に、国税徴収法第153条が定める「滞納処分の停止」という制度が適用されれば税金の納付義務は消滅します。これは税金の滞納処分を執行する財産がない場合等に認められる制度です。
 これは同条が「税務署長は、…滞納処分の執行を停止することができる」と規定しているように、あくまで税務署が職権で適用する制度であり、滞納者に滞納処分の停止を求める権利はありません。しかし破産後に滞納税金を請求されたような場合は、滞納処分の停止を適用するよう交渉すべきでしょう。





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