愛知県名古屋市瑞穂区 自己破産・任意整理・特定調停・過払金返還などの債務整理、会社設立、相続・遺言、成年後見 天野司法書士事務所

自営業者と自己破産

Q 破産すると廃業しなければならないのか。

A 事業者が破産すれば、事業は当然、廃業しなければならない、というのが法律界の常識のようです。この理由は破産は清算型の倒産であるということです。たしかに事業者が店舗・工場を所有し、機械や在庫を持ち、未回収の売掛金があるような場合は、破産すればこれらの財産はすべて処分され、債権者に配当されますから、事業を存続することは不可能です。現行の破産法が想定しているのはこのような破産です。
 しかし非常に規模の小さい事業者の破産の場合は、処分できるような財産が何もないことが多いのです。例えば夫婦2人やっているような飲食店の中には、店舗は賃貸で、什器備品でお金にかえられるようなものはなく、食材はその日に仕入れてその日に処分するので在庫もない、といったケースが少なくありません。もちろん売掛金もありません。また建設業を1人でやっている一人親方の中には、機械は元請のものを使用し、材料はすべて元請から支給されるような人が多いのです。結論から言えば、これらの事業者は破産しても廃業せず、事業を継続できます。当事務所はこのような破産をたくさん扱ってきました。
 要するに廃業は破産の目的ではなく、結果なのです。破産の目的は免責を得ることであり、現行の破産法が想定しているような破産をすれば結果的に廃業せざるを得ないということなのです。そのため破産法も想定していないような小規模事業者が破産しても廃業せずにすむのです。


Q 事業者の破産は管財人事件になるのか。

A 同時破産廃止は債務者の財産が40万円に達しない場合に認められるのが原則です。したがって財産が40万円に達しなければ、事業者かサラリーマンかを問わず同時廃止事件になるはずです。
 しかし従来、事業者の破産は管財人事件が原則であるとされてきました。それは事業者はサラリーマンに比べ財産関係が複雑であるので、破産管財人を選んで本当に財産がないかを調査する必要があるという理由です。しかし非常に規模の小さい事業者の中には、年間の売上(所得ではありません)がサラリーマンの年収以下の人も多いのです。このような事業者の何を調査するというのでしょう。最近は事業者の同時廃止事件も増えていますが、それは裁判所が事業者の実態に対する認識を深めた結果であると考えられます。当事務所で扱ってきた事業者破産はほとんどが同時廃止事件です。管財人事件になったのは事業者が不動産を所有している場合ばかりです。


G 連帯保証人に迷惑がかかるのだが
A これは破産するとき一番、悩むことではないでしょうか。破産すれば連帯保証人が返済の義務を負うのはまぎれもない事実です。
 まず連帯保証人が家族であれば、いっしょに破産することが考えられます。実際、夫婦・親子がそろって破産することは非常に多いです。
 問題は連帯保証人が家族以外の第三者の場合です。この場合、破産する人が手続終了後に連帯保証人に毎月、返済する額を渡すことができれば実質的な迷惑は避けられます。保証人問題はこのような方法でクリアーするしかないでしょう。
 とはいえ事業者の連帯保証人の債務は何百万、何千万円にも及ぶ場合があるので、簡単ではないでしょう。ここで強調したいのは、連帯保証人をとっている相手が高利の商工ローンの場合は、特定調停や任意整理で解決できることが多いということです。もともと商工ローン会社は利息制限法に違反した利息をとっているので、債務額を利息制限法に基づき再計算すればかなり減るはずです。1000万円以上の借金が実はゼロだったという例も多く見てきました。

Q やはり事業者は破産を避けた方がいいのか。

A 当事務所では、事業の継続を希望する個人事業者には、まず個人再生手続が選択できるかを検討します。破産より債権者や裁判所の理解が得やすいと思うからです。そして事業の営業利益や事業主家族の生活費等を詳細に検討した結果、個人再生手続がむずかしいと判断した場合は破産を勧めます。


Q 会社の取締役だけが破産し、会社を存続させることはできるのか。

A 会社と取締役個人は別人格なので、取締役個人は破産しても、会社を存続させることはできます。ただし以下の点に注意して下さい。

1 会社自身が赤字で、今後も会社の負債が増加する可能性がある場合は、会社も清算すべきです。

2 破産は取締役の欠格事由ですから、取締役は破産すればその資格を失います。

3 会社の運転資金を取締役がサラ金などからの借入で埋め合わせていたような場合は、そのお金は法的には取締役の会社に対する貸付金になります。この貸付金は取締役の資産であるため、取締役が破産した場合は本来、会社から回収し、取締役の債権者に配当すべきものです。そこで理論的には、取締役の破産管財人が選任され、会社の不動産、預金、売掛金などから取締役の貸付金を取り立てることになります。




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