愛知県名古屋市瑞穂区 自己破産・任意整理・特定調停・過払金返還などの債務整理、会社設立、相続・遺言、成年後見 天野司法書士事務所

自己破産と個人再生手続


Q 破産との違いは

A 破産は「月の返済をゼロにする」法的手段であり、個人再生手続は「月の返済を返済可能金額以下にする」法的手段の1つです。
 個人再生手続とは、借金を5分の1にした上で、3年から5年で分割して返済すれば、残りの5分の4を免除するという手続で、2001年(平成13年)4月から施行されています。例えば900万円の借金のある人は、借金を5分の1の180万円にすることができるので、月5万円の返済を3年間(36ヶ月)すれば、残りの720万円は免除されます。
 この手続が利用できるのは、個人である債務者のうち、将来において収入を得る見込みがあり、担保物権のない債権の総額が5000万円を超えない者です。またこの手続には住宅ローンの特則というものがあり、これが使えれば、住宅を失わずに借金を減らすことができます。

Q 破産と個人再生手続のどちらがいいのか

A 重要な判断基準は2つあると思います。
 第1は手取月収から生活費を除いた返済可能金額が一定額以上あるかです。返済可能金額がほとんどなければ個人再生手続をやりたくてもできません。これに対し、返済可能金額が一定額以上あれば破産と個人再生手続のどちらも選択できます。民事再生法では「債務者に破産の原因たる事実の生ずるおそれがあるときは」個人再生手続を申し立てることができると定められていますが、破産原因である支払不能とこの「破産の原因たる事実の生ずるおそれ」は厳密に区別することはできないため、裁判所が「あなたは個人再生手続ができそうなので、破産は認められません」と言うことはありません。もちろん返済可能金額が何十万円もあれば別ですが、そのような人はそもそも法的手段をとる必要もないでしょう。
 第2に自己所有の住宅(持ち家)があるかです。実際上、破産の最大のデメリットは、所有している不動産を失うこと
です。とすれば住宅を失いたくなければ破産は選びにくいことになります。

Q 個人再生手続を選ぶのに適した人は

A 上記から個人再生手続を選ぶのに適した人は次のような方です。

1 住宅を所有し、それを手放したくない方

 住宅ローンの返済がむずかしくなっている方が、住宅を手放さずに借金を減らすことができるというのが個人再生手続の売り物です。逆に住宅を所有しているが、ローンを払い続ける見込みがないため、手放すのもやむを得ないと考えている方(こういう方も多くいます)は破産の方がメリットが大きいと思います。

2 現在、破産者が就くことのできない職業に就いている方

 詳しくは破産者の職業上の資格制限はいつまで続くのかのページを見てください。

3 破産すると廃業をせざるを得ない個人事業者

 このような個人事業者が事業を継続できるようにすることが、個人再生手続ができた大きな理由の1つです。

4 以上のどれにもあたらないが、何らかの理由で破産を避けた方がよいと思われる方

G 事業者の個人再生手続の注意点は

 事業者の多くは事業資金(設備資金・運転資金)を銀行、信用金庫、国民生活金融公庫、商工ローンなどから借りています。その金額はサラ金・クレジットとはけたが違い、何百万・何千万円になります。ここから事業者の個人再生手続には特別の問題が生じます。

1 個人再生手続は担保物権のない債権の総額が5000万円を超えない者が利用できる制度です。注意しなければならないのは、この「債権の総額」には自分の借金の額だけでなく、他人を連帯保証した額も含むということです。法律的には連帯保証とは「自分が借りたのと同じこと」だからです。そのため自分の借金の額が1000万円であっても、家族や会社の事業資金の連帯保証額が4500万円であれば、個人再生手続は利用できません。このような理由で個人再生手続ではなく、破産を選ばざるを得なかった人も多くいます。

2 個人再生手続には事業者を予定した小規模個人再生とサラリーマンや年金生活者を予定した給与取得者等再生の2種類があります。両者の最大の違いは、小規模個人再生では再生計画案への不同意が債権者の人数の半数に満たず、かつ債権の総額の2分の1を超えないことが必要だと言うことです。そのため例えば銀行1社で債権の総額の2分の1を超えている場合は、その銀行の賛否で個人再生手続の命運が決まってしまいます。これまでのところ信用保証協会や国民生活金融公庫が再生計画案に同意しなかったという話をよく聞きます。

3 住宅ローンの特則は住宅に住宅ローン以外の担保物権が設定されている場合は利用できません。よって事業者が銀行、信用金庫、国民生活金融公庫、商工ローンなどから事業資金を借り入れ、自宅を担保に提供した場合は住宅ローンの特則は使えません。このため住宅を所有する事業者のほとんどが住宅ローンの特則を使えない事態になっています。なぜなら事業者が住宅を所有していれば、金融機関はまずまちがいなく担保物権の設定を要求するからです。




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