愛知県名古屋市瑞穂区 相続・遺言、成年後見、会社設立、自己破産・任意整理・特定調停・過払金返還などの債務整理 天野司法書士事務所

相続、遺言の基礎知識

Q 相続人はこうして決まる−相続人の順位

A だれが亡くなった人(「被相続人」といいます)の相続人になるかは法律(民法)で次のように定められています。

@ 被相続人の配偶者は常に相続人となる。

A 被相続人の子は相続人となる。

B 子がいない場合には、被相続人の直系尊属(父母)が相続人となる。

C 子と直系尊属(父母)のどちらもいない場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる。

 以上から相続人の組み合わせは、配偶者と子、配偶者と直系尊属(父母)、配偶者と兄弟姉妹、配偶者のみ、子のみ、直系尊属(父母)のみ、兄弟姉妹のみ、の7通りです。

Q 子が相続前に死亡しているときの相続人は−代襲相続

A 子が相続前に死亡しているときは、子の子(つまり孫)が相続人になります。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。したがって直系尊属(父母)や兄弟姉妹が相続人になるのは、被相続人に孫もいないときです。

Q 離婚した元・妻は相続人か

A 離婚した元・妻は「配偶者」ではないので、相続人ではありません。しかしその者との間の子はもちろん相続人です。

Q 法定相続分とは

A 法定相続分とは法律(民法)で定められた相続人の持分です。民法では次のように定められています。

@ 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。

A 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2とし、直系尊属の相続分は3分の1とする。

B 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は4分の1とする。

C 子、直系尊属または兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は相等しいものとする。


Q 遺産は相続分どおりに分割しなければならないのか−遺産分割協議

A 遺産の分割方法は相続人の話し合い(遺産分割協議)で自由に決めることができます。法定相続分にはとらわれません。むしろ法定相続分どおりに遺産を分けることはあまりありません。例えば遺産が自宅のみの場合には、相続人の一人の名義にするのが一般です。

Q 被相続人の借金は払わなければいけないのか−相続放棄

 相続人は亡くなった方(被相続人)の一切の権利義務を承継するので、被相続人に財産がなく、負債がある場合には、相続人は負債のみを相続することになりますこのようなことを避けるための制度が相続放棄です。相続放棄をすれば、被相続人の借金を払わなくて済みます。

Q 相続放棄はいつまでにしなければならないのか

A 相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に相続放棄申述書を家庭裁判所に提出することが必要です。3ヶ月を経過すると相続放棄は原則としてできません。
 ここで注意しなければならないのは、「相続の開始から3ヶ月以内」ではなく、「相続の開始を知ったときから3ヶ月以内」であることです。知らなければ放棄もできませんので、当然のことです。そのため相続後、しばらく経ってから借金の存在を知ったときには、借金を知ったときから3ヶ月以内であれば相続放棄ができます。

Q 遺言の効用は

A 遺言は実際にどのような役割を果たすのでしょうか。不動産の相続登記を例に説明します。
 不動産の所有者が死亡すると、その名義を亡くなった人(被相続人)から相続人の1人(例えば長男)に変更します。しかしそれは長男が1人ですることはできません。普通は「不動産は長男の所有とする」という内容の遺産分割協議書というものを作成します。そしてそこに相続人全員の実印を押し、印鑑証明書を添付します。この遺産分割協議書がなければ相続登記はできません。したがって相続人が1人でも「不動産は長男の所有とする」ことに同意しなければ、長男に名義変更できないわけです。「相続でもめる」とは、このような状態をいいます。
 これに対して、「不動産は長男の所有とする」という内容の遺言書があれば、遺産分割協議書は不要です。その遺言書を添付すれば相続登記はできます。したがって同意しない相続人がいても、長男が1人で相続登記をできるわけです。遺言の効用はここにあります。


Q 遺言は自分一人でできるのか−遺言の方式

A 普通、行われる遺言は自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらかです。この内、自筆証書遺言は遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押せばいいので、自分一人ででもできます。しかし不備があった場合は取り返しがつかないので、公正証書遺言を作成するのが多数です。
 公正証書遺言は公証人役場所属の公証人が作成します。その際、相続人以外の証人2名が必要です。


Q 遺言は書き直すことができるのか

A 遺言は何度でも書き直すことができます。その場合、一番、新しい遺言が有効となります。

Q 遺言で相続人の一人に全ての財産を与えられるのか−遺留分

A 例えば「すべての財産を長男に相続させる」という遺言も有効です。この遺言により
すべての財産の名義を長男に変更できます。
 
このように言うと、「遺留分に反するのではないか」と思われる方もいるかもしれません。しかし遺留分(いりゅうぶん)とはそういうものではありません。
 遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人が確保できる相続財産の割合のことです。この趣旨は残された遺族の生活を保障することです。遺留分の割合は法律(民法)で次のように定められています。

@ 相続人が直系尊属(父母)のみである場合−相続財産の3分の1

A 相続人が配偶者と子、配偶者と直系尊属(父母)、配偶者のみ、子のみである場合−相続財産の2分の1

 例えば相続人が配偶者と子1人の場合、配偶者と子の法定相続分は、各2分の1です。そこで遺留分は法定相続分の各2分の1、すなわち相続財産の各4分の1になります。

 しかしだからといって遺留分を害する遺言が当然に無効になるのではありません。遺留分のある相続人が欲するならば、取り戻しを請求することができるにすぎません。この請求を遺留分の減殺請求(げんさいせいきゅう)と言います。もし相続人が取り戻しをせずに、遺留分の侵害を知ってから1年を経過すれば、遺留分減殺請求権は消滅します。
 以上から、遺留分を侵害する遺言も有効です。後日、減殺請求の可能性があるだけです。



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