テーマ:社会福祉
矢部武『ひとりで死んでも孤独じゃない 「自立死」先進国アメリカ』(新潮文庫、2012年)を読みました。タイトルに惹かれて読むことにしましたが、たいへんおもしろかったです。
著者は日米の両国を長年、取材しているジャーナリストです。近年、マスコミで孤独死がよく取り上げられます。しかし著者は「一人で亡くなることが問題なのではない」と主張し、アメリカを例に出します。著者によれば、アメリカは一人で生きることを前提とした社会であり、それゆえ政府やNPO、企業などが連携し社会全体で独居者の孤立や孤独死を防ぐ支援活動に取り組んでいるとのことです。そしてたとえ一人で亡くなったとしても、社会的なつながりがあれば、孤独死ではなく「自立死」だと言います。
私がたいへん興味を持ったのは、アメリカでは低所得層に対する国の援助が日本よりもずっと充実していることです。アメリカでは政府支援を受けた独居者専用住宅もあれば、食料品を買うためのフードスタンプ(食料クーポン)の支給もあります。また生活保護制度はむしろ日本より受給しやすいとのことです。やはり公的援助もなしに、家族や地域の絆だけを強調しても問題は解決できないのです。
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