テーマ:相続・遺言
司法書士は、相続の放棄という用語をよく聞きます。「他の相続人は相続を放棄したので、私が相続します」といった具合です。しかしこの場合の相続放棄は、民法938条以下の相続放棄とは違います。つまり相続放棄と言う用語は2種類の意味で使われているということです。
先の「他の相続人は相続を放棄したので」というのを正確に言うと、「他の相続人は相続しないという遺産分割協議をしたので」ということです。具体的には、そのような遺産分割協議書に実印を押して、印鑑証明書を提出することです。裁判所は関係ありませんし、期間の制限もありません。
これに対し、法律(民法)で定められている相続放棄は、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して行うものです。これは通常、プラスの相続財産がなく、あるのは借金だけという場合に、相続人がその借金を免れるために行われます。
世間では一般に相続放棄とは前者の意味で使われます。しかし家庭裁判所に前者の相続放棄のことを聞きに行ったら、後者の相続放棄のことを教えられたという話もありますので、注意が必要です。
テーマ:成年後見
名古屋家庭裁判所(本庁)は成年後見の専門部署として「後見センター」を設けています。ここでは後見人選任申立時に受理面接を行うというシステムになっています。これは申立書提出時に申立人及び後見人等候補者が同席し、その場で調査を行うというものです。
この受理面接日時は予約が必要です。最近の後見事件の増加により、名古屋家裁では1ヶ月くらい先になることもあります。私も昨日、予約をしましたが、「今は割とすいています」ということで3週間後(!)になりました。なので現状では後見人を至急、選任するということはむずかしくなっています。
テーマ:社会福祉
成年後見の仕事で、高齢者マンションに行くことが増えています。高齢者マンションとは知り合いのケアマネジャーから聞いたことばで、要するに、高齢者の便宜を図った賃貸住宅というくらいの意味です。昨年、高齢者住まい法が改正され、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の登録制度が始まりましたが、サ高住の登録をした高齢者マンションはまだ一部でしょう。
現在、高齢者マンションがすごい勢いで増えているようです。たしかに自宅で生活するのがむずかしくなってきたが、特別養護老人ホームはいっぱいだし、かといって有料老人ホームに入るお金もないという高齢者に対応する住居は今までほとんどありませんでした。しかしこのような人はいっぱいいるわけですから、高齢者マンションが増えるのはもっともだと思います。高齢者マンションの中には、介護事業所が同居し、食堂や集会所を備えているところもあり、そうなると有料老人ホームのメリットはなんなのかと思わざるをえません。
テーマ:債務整理全般
元ネオライングループの(株)クラヴィスが昨日、7月5日に破産しました。同社は、リッチ→ぷらっと→クオークローン→タンポート→クラヴィス と目まぐるしく名前を変えた会社で、クオークローン、タンポートの時代はプロミスグループに属し、ネオライングループになってからクラヴィスになりました。ただ現在はネオライングループと資本関係はないとのことです。
他のネオライングループ同様、過払金をまともに返還しない会社で、私としては破産自体は当然だと思っています。しかし存続がネオライングループの利益になれば、過払金を返還しないまま存続し、利益にならなければ譲渡や倒産という同グループの手法には腹立たしい思いです。
テーマ:相続・遺言
子は親の相続人です。では、子が親がより先に死亡したときはどうなるか。答えは子の子(孫)が相続人となる、です。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)と言います。代襲相続は民法887条に定められています。
間違えやすいのは、相続放棄は代襲相続の原因にはならないということです。つまり子が相続放棄をしても、孫が親を相続することにはなりません。この場合は子の次順位の者(第1が親の直系尊属、第2が親の兄弟姉妹)が親を相続します。
テーマ:成年後見
法定後見と任意後見では、後見人を選ぶ時期が違います。すなわち認知症などで判断能力が低下した後で後見人を選任するのが法定後見であり、判断能力が低下する前に後見人を決めるのが任意後見です。その結果、法定後見では本人の判断能力がすでに低下しているので、家庭裁判所が後見人を選任するのに対し、任意後見では本人の判断能力が低下していないので、契約で後見人を決めるいう違いも生じます。
以上は基本ですが、どうも親族が後見人になるのが法定後見、親族以外が後見人になるのが任意後見であると誤解している方がいるようです。前述のように法定後見と任意後見の違いは後見人を選ぶ時期の違いであり、だれが後見人になるかは関係ありません。
テーマ:社会福祉
昨日、参議院本会議で障害者総合支援法が可決され、成立しました。この法律は障害者自立支援法の一部改正であり、同法の廃止と新法制定を約束した基本合意に明らかに違反しています。基本合意というのは、平成22年1月、障害者自立支援法違憲訴訟団と政府が裁判上の和解として締結した合意文書のことです。違憲訴訟団は、総合支援法の成立に対して抗議声明を発表しています。http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-2464.htm
訴訟団はこの抗議声明の中で、法的責任を追及することを明言しています。これは当然でしょう。裁判上の和解は確定判決と同一の効力があるのであり、今回の事態は国会と内閣が堂々とそれに違反したのですから。「障害者自立支援法を廃止します」という国の言葉を信じて和解に応じた原告の方の気持ちを思うと、怒りに耐えません。
テーマ:債務整理全般
プロミス(株)から「社名変更のお知らせ」が届きました。7月1日より、プロミス株式会社から「SMBCコンシューマーファイナンス株式会社」に社名変更するとのことです。
SMBCとは、三井住友銀行のことです。プロミスの名は、サービス・ブランドとして引き続き使用するようです。会社名を新生フィナンシャル(株)として、ブランド名としてレイクを使用した新生銀行グループが成功したように見えたのでしょうか。
テーマ:相続・遺言
私は、「相続でもめないために、遺言を作りましょう」という言い方が好きではありません。遺言というものは、「作れば、もめない」ものではなく、「もめそうだから、作る」ものだと思うからです。
遺言の存在意義は、他の相続人の実印が不要になるということです。遺言のない相続では、何をやるにも相続人全員の実印の押印と印鑑証明書の提出が必要です。逆に言えば、相続人全員の意見が一致しなければ何もできません。不動産の名義変更はもちろん、銀行預金の引き出しもできません。これに対し、遺言があれば、他の相続人の印鑑はいらず、財産を相続した相続人のみで手続を進めることができます。つまり相続人間でもめても、手続をすすめることができるのです。このように考えると、「相続でもめないために、遺言を作る」というのはちょっと違うとしか思えません。「相続をスムーズに進めるために、遺言を作る」というなら、まだわかりますが。
昨日の日本経済新聞の記事に、遺言の内容が原因で相続争いになったケースが紹介されていました。そのようにならないために記事では、「遺言で遺留分を侵害しない」ことを挙げていましたが、私は遺留分を侵害していないのに、相続人間で紛争になったケースを知っています。遺言があっても、もめるときはもめるのです。
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