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成年後見の申立人探し? 2012年04月26日

テーマ:成年後見

 成年後見人は、本人、配偶者、四親等内の親族などの請求により、家庭裁判所が選任します。法律には「本人」も含まれますが、本人の判断能力が低下したから後見人が選ばれるのですから、本人が請求することは普通、ありません。多くの場合、配偶者か親族が請求することになります。

 しかし客観的に後見人を選任すべき事例なのに、後見人の選任を家庭裁判所に申し立てる人(申立人)が見つからないことがあります。この場合は、親族の中から申立人になってくれる人を探すことになります。しかし申立人になるメリットというものは特にないので、そう簡単に見つからないのです。

 申立人になる親族がいない場合は、市町村長申立という制度がありますが、これを利用するには親族全員に申立を断られた事実が必要であると思われます。逆に言えばそれまで申立人探しが続くわけです。

国会と内閣が、裁判所を否定した障害者自立支援法問題。 2012年04月21日

テーマ:社会福祉

 今週、衆議院の厚生労働委員会で、障害者自立支援法の改正案として、障害者総合支援法案が可決されました。もともと政府は、障害者自立支援法違憲訴訟の「基本合意」で、障害者自立支援法を廃止し、新しい法律を制定すると約束しました。今回の事態は、形式的に障害者自立支援法の改正としていることのみならず、実質的にも同法の重要部分を引き継いでいることからも、完全に基本合意に違反しています。基本合意は裁判上の和解であり、裁判上の和解は確定判決と同一の効力を有します。これを指摘している記事 <a href=”http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-2417.html

 私に言わせれば、国会と内閣が、裁判所を否定したということです。政府は「法律を廃止すると現場が混乱する」などという言い訳をしています。しかしこれはまったく理由になりません。現場が混乱しないような法律を作ればいいだけのことです。マスコミはこのような政府の言い分にだまされず、もっとこの問題を取り上げるべきです。

アコムの貸付停止措置問題 2012年04月18日

テーマ:過払金返還請求

 「アコム(株)の貸付停止措置」という論点があることは知っていましたが、私がアコムから直接、主張されたことがなかったので、あまり深く考えていませんでした。しかし、ついに私も関わることになりました。

 私の依頼者は、平成7年に返済が遅れ、それを理由にアコムは貸付停止措置をとったようで、その後は平成15年まで新たな借入はなく、返済のみをしていました。過払金の返還請求権の時効期間は原則として取引の終了日から10年なので、なんとか時効にかからないはずでした。

 ところがアコムは、平成7年から新たに借入をできなかった以上、この時点から過払金の返還請求が可能であったはずであるから、過払金は発生の都度、時効が進行すると主張しています。そして今から10年前の平成14年3月以前の過払金返還請求権の時効消滅を前提とした和解案を提示してきました。

 この論点に対する最高裁判決はまだなく、高等裁判所レベルでは判断が分かれています。私の見解では、最高裁まで行けば、アコムが負ける可能性が高いと思いますが、それまで待っていることもできません。このままアコムの和解案を受け入れるつもりはありませんが、その後の展開が読めません。

「介護保険制度の改正について」勉強会 2012年04月16日

テーマ:社会福祉

 先週の土曜日は「介護保険制度の改正について」というテーマの高齢者問題・専門職ネットワーク勉強会に参加しました。登記や債務整理は介護保険のことを知らなくてもできますが、成年後見をやるのであれば介護保険の知識は必須だと思います。

 勉強会では、今回の改正の目玉である24時間対応の定期巡回・随時対応サービスについて、市町村のモデル事業に取り組んでいる方から発言がありました。それを聞く限りでは、このサービスを利用する要介護者はかなり限定されるという印象を持ちました。このサービスは在宅で介護をしている家族を援助するという域を出ておらず、一人暮らしの要介護者がこのサービスを利用して在宅で過ごすことを目指していないので、要介護者にはあまり望まれないようです

死因贈与の欠点 2012年04月09日

テーマ:相続・遺言

 死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与です。例えば、父が長男に対し、自分が死んだら自宅を贈与すると約束することです。
 死因贈与は遺言のように公正証書にする費用や手間がいらず、また税法上、相続として扱われるため贈与税がかからないという長所があります。そのため一見、遺言や生前贈与より利用しやすいようにも思えます。
 
 しかし死因贈与には重大な欠点があり、私はお勧めできません。例えば上記のような死因贈与がなされ、その後、父が死亡したとします。そこで長男が家の名義を自分に変更しようとすると、他の相続人(例えば母や次男)の協力が必要になります。これは贈与者の地位を母や次男も相続するからです。そのため他の相続人が死因贈与に反対すれば、名義の変更はできません。これではなんのために死因贈与をしたのかわからなくなってしまいます。

 やはり生前に死後の財産の処分を決めておきたいのなら、遺言をするべきでしょう。遺言であれば、名義変更に他の相続人の協力は必要ありません。

住宅ローンが払えなくなった理由 2012年04月03日

テーマ:不動産担保、住宅ローン

 このブログで何回も住宅ローンが払えなくなったときの対処法について説明してきましたが、今回は私が接してきた住宅ローンを払えなくなった理由を紹介したいと思います。
 よくマスコミなどで取り上げられるのは、会社をリストラされたとか、給料が減ったという理由です。しかし私の感覚としては、意外に少ないような気がしています。

 一番、多いのはそもそも返済計画に無理があったケースです。中には、住宅ローンを組む前からすでに多重債務だったということもありました。自営業で、住宅ローンを組む前からうまくいっていなかったというのも同類です。

 離婚が原因という方も目立ちました。これはわかりやすい話で、当初は夫婦二人の収入を当てにしてローンを組んだのが、離婚して一人の収入では払えなくなったというものです。

 また最近は、病気で働けなくなったいう理由もよく聞きます。

相続放棄はいつまでできるか。 2012年04月02日

テーマ:相続・遺言

 私の事務所は債務整理の仕事が多いため、関連して相続放棄の手続を依頼されることがあります。亡くなった親族(「被相続人」といいます。)に財産がなく、借金があるときは相続人の方に相続放棄をお勧めしています。

 相続放棄は家庭裁判所に申述する方法によって行うのですが、債務額がわからなければ「不明」の一言で足りますので、実際上の問題は期間の制限だけです。民法では相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内にしなければならないとされています。具体的には

1 配偶者や子が相続人であれば、死亡を知った時が原則です。ただし借金の存在を知らなければ相続放棄を考えることもないので、死亡後に借金を知った場合は、借金の存在を知った時と解釈できます。

2 被相続人の父母は、被相続人に子がいれば相続人になりませんが、その子が相続放棄をすれば相続人になります。 この場合は、子が相続放棄をしたことを知った時が「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。

3 同じく被相続人の兄弟は、被相続人に子や父母がいれば相続人になりませんが、その子と父母が相続放棄をすれば 相続人になります。 よって子と父母が相続放棄をしたことを知った時が「自己のために相続の開始があったことを 知った時」にあたります。

なぜ介護保険料はどんどん値上がるのか。 2012年03月30日

テーマ:社会福祉

 介護保険の保険料は3年ごとに改定されますが、改定ごとにどんどん値上がっています。2000年の制度開始時は65歳以上の保険料は月平均3000円以下でしたが、今年の4月からは5000円程度になりそうです。なぜこんなに値上がるのかと言えば、介護保険法がそういう仕組みを組みこんでいるからです。

 介護保険法では、1割の利用者負担を除いた費用は、50%を公費(税金)、残りの50%を保険料で賄うことが決められています(第121条以下)。そのため介護給付費が増大すれば、それに比例して保険料も上がることになっています。これは介護保険で導入された制度で、医療保険はこのようになっていません。医療費も年々、増加しているにもかかわらず、健康保険料や国民保険料が介護保険料のように値上がっていかないのはこのためです。

 このような仕組みになった理由は言うまでもなく、介護給付費を抑制するためです。「保険料の値上げがいやなら、介護保険を利用することを控えなさい」というわけです。私はこのような介護給付費と介護保険料を連動させる制度は問題だと思います。介護給付費が増加すれば介護保険料が値上がるのは、必然ではありません。問題は介護保険の財政構造そのものにあります。

飲食店と債務整理 2012年03月28日

テーマ:自営業者、会社

 当事務所は昔から自営業者の債務整理を多く扱ってきました。いろいろな業種がありましたが、もっとも多いのは飲食店だと思います。例えば居酒屋、喫茶店、レストラン、焼肉店、ラーメン店などです。これらの業者が多重債務になった原因は、売上不足です。私の実感としては、従来、個人事業が中心だった飲食店業界がいくつかの理由から売上を減らし、営業がむずかしくなっています。

 私は相談を受けると、まず月商を尋ねます。そして月商が100万円以下であれば、事業の継続は困難であると推定します。私の経験から言うと、飲食店が月商100万円以下では家族の生活費が出ません。家族の生活費が出ないということは、仮に借金がゼロになったとしても生活できないということです。非常におおざっぱな基準ですが、私は飲食店が営業を継続できるかどうかについて、月商100万円を一つの目安にしています。

NHK「都会の孤立死 SOSが届かない」に納得できない。 2012年03月26日

テーマ:社会福祉

 3月20日放送のNHK「追跡!真相ファイル 『都会の孤立死 SOSが届かない』」を見て、釈然としない思いが残りました。この番組は今年の1月下旬、札幌市のマンションで、40代の姉と知的障害のある妹が死亡しているのが見つかった事件を取り上げたものです。家賃を滞納しガスも止められた部屋の中で、姉は病死、妹は凍死したという痛ましい事件です。

 私はまず、「SOSが届かない」というタイトルに抵抗があります。この姉は区役所に3回も生活保護の相談に行っていました。SOSは区役所に届いていたのです。区役所は「本人が保護申請の意思を示さなかった」と言っているようですが、姉は区役所から「懸命なる就職活動」が保護の要件と説明されたため、申請をあきらめただけです。区役所が姉の相談に応えて申請を促していれば、この姉妹は生活保護が認められ、死なずにすんだとしか思えません。また「個人情報の保護が救済の妨げとなった」という意見を肯定的に取り上げたのも納得できません。NHKにはもっと問題の本質に迫った論評を望みます。

 

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