テーマ:自己破産
破産すると借金の返済を免除される、と言いますが、正確には破産して、免責が許可されれば、返済が免除されるということです。もう少し説明すると、破産とは財産をお金にかえて債権者に配当する手続であり、免責とはそれでも残った債務につき責任を免除する手続です。
このように破産と免責は別個の手続なので、破産法には、破産しても免責が認められない場合が定められています。これを免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)と言います。その代表がパチンコなどのギャンブルで借金を負った場合です。
テーマ:過払金返還請求
(株)武富士の更生計画が東京地方裁判所より認可されました。更生計画の弁済率は3.3%です。したがって過払金も3.3%しか返還されません。
私は3.3%しか過払金を払えないサラ金を「更生」させ、存続させる意味はないと考えていたので、更生計画案が否決されて、破産になることを望んでいました。残念です。
テーマ:自己破産
退職金は特殊な財産です。例えば、現在、退職すれば200万円の退職金が支給される人がいるとします。しかし退職しなければもちろん1円ももらえません。この方が自己破産をするとき、退職金はどのように扱われるのでしょうか。
これについては裁判所が基準を定めています。名古屋地方裁判所では、退職金予定額は8分の1と評価し、その額が20万円以上の場合(退職金予定額が160万円以上の場合)には、その額を積み立てて、債権者に任意弁済することになっています。
冒頭の例では、200万円の8分の1である25万円を用意し、債権者に任意弁済することになります。これに対して、退職金予定額が160万円未満であれば、任意弁済は指示されません。
テーマ:不動産担保、住宅ローン
競売で不動産が落札され、新しい所有者が決定するまでといえます。では、それはどのくらいの期間でしょう。もちろんそれは住宅ローン会社によってまちまちですので、ここではもっとも一般的な例をあげたいと思います。
まず住宅ローンの返済がストップしてから6ヶ月が経過すると、銀行などの住宅ローン会社は処理を債権回収会社(サービサー)に委任します。そしてサービサーからの連絡に応答しなければ3ヶ月くらいで競売申立がされます。競売申立から落札までは最近はかなり短くなっており、5ヶ月くらいでしょうか。
以上から、返済をストップしてから新しい所有者が決定するまで1年以上はかかることがおわかりだと思います。
テーマ:不動産担保、住宅ローン
住宅ローンの返済ができなくなった場合、住宅を売却して住宅ローンを完済できれば、それで問題は終わりです。しかし多くの場合は住宅を売却しても、住宅ローンが残ります。このような場合をオーバーローンといいます。
オーバーローンで住宅ローンが返済できないのであれば、いずれ競売になるか任意売却をするかのどちらかになります。競売とは、住宅ローン会社が裁判所に申請して不動産を売却してもらうことです。任意売却とは、不動産の所有者が自分から売却することで、競売が強制であることの対比から「任意」売却と呼ばれています。競売と任意売却はそれぞれ長所、短所があります。決して任意売却の方が常に競売よりすぐれているわけではありません。
テーマ:自己破産
自己破産の申立をするとき、生命保険には気を使います。債務者に30万円以上の個別財産があれば原則として管財人選任事件となり、財産を処分しなければなりません(名古屋地方裁判所の例)。ただ、私の経験上、自己破産をしようとする人が30万円以上の預金があるのを知らなかったということはほとんどありません。
しかし生命保険の解約返戻金が30万円以上あるのを知らなかったということはよくあるのです。解約返戻金(かいやくへんれいきん)とは、掛け捨てでない生命保険を解約したときに契約者に返還されるお金です。長年、保険に入っていると、解約返戻金が多額になることがあるのです。当事務所が扱った例でも、解約返戻金が100万円以上になっているのを本人が知らなかったことは何度もありました。
テーマ:任意整理
任意整理をして分割弁済をする場合、期間は何年以内でなければならないか。答えは「決まっていません」。もともと任意整理は債権者と債務者の合意によって成立するので、双方が合意すれば極端な話、10年でも20年でもいいわけです。
しかし一般的には原則3年以内、最長5年くらいを目途に考えている専門家が多いのではないでしょうか。それはそれ以上の期間が必要なくらいなら自己破産や個人再生を利用すべきと考えられるからです。当事務所も返済期間が5年以上の任意整理は経験ありません。ただ、どうしても自己破産や個人再生は選択できないというケースもありますから、そういう場合は5年以上の可能性は否定しません。
テーマ:自営業者、会社
「避けた方がいいのか」と問われれば、「避けた方がいい」と答えます。自営業者(個人事業主)が借金を払いきれない場合、法律は「廃業するなら破産、営業を継続するなら個人再生」を想定しています。ですから裁判所も法律家もその方向で誘導することになるでしょう。
また自営業者(特に飲食店など、店舗のある自営業者)が破産して営業を継続しようとすれば、管財事件になり、破産費用がかさみます。
以上から、当事務所も営業を継続するならまず任意整理か個人再生を勧めると思います。しかし「不可能」というわけではないので、支払能力の点から破産しかないのであれば、破産の方向を検討します。
テーマ:自営業者、会社
会社名義で銀行などから借入ができなかったため、取締役個人がサラ金、カード会社からお金を借りて、会社の運転資金に充てたような場合です。
会社と取締役は別人格なので、もちろん取締役のみが破産できます。ただし破産者は取締役の資格を喪失するので、申立前に取締役を辞任することになります。
注意しなければならないのは、取締役が借入金を会社の運転資金に充てると、それは法律的には取締役の会社に対する貸付金になるということです。ですから取締役が破産するのであれば、会社から貸付金を回収できないかを裁判所がチェックします。会社が倒産しているならともかく、営業を継続しているのなら、「会社にもお金がない」の一言ではすまないでしょう。場合によると破産管財人選任事件になるかもしれません。このようなことを避けるためには、裁判所に提出する陳述書の書き方に工夫が必要です。
テーマ:自営業者、会社
先月、名古屋地方裁判所に申立をした元・自営業者の方の破産が同時廃止になりました。よかったです。
同庁の「新・同時廃止に関する運用基準」は、個人事業者につき「所有する事業用資産と生活用資産の処分価格の合計が40万円に満たない」場合には同時廃止処理できるとしています。今回の破産は明らかにこの基準を満たしているので、同時廃止が当然の事案でした。しかし一昨年くらいから、同時廃止と予想していた破産が管財事件になるケースが何度かあったので、少し心配していました。管財事件になれば、申立人に、裁判所に納付する予納金を用意していただかなければなりませんので。
でも今回の件で、基本的には「運用基準」どおり考えればいいのだと安心しました。
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