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破産者であるのはわずかな期間です。 2011年10月18日

テーマ:自己破産

 裁判所が破産手続開始の決定をすると債務者は「破産者」という身分になります。そして免責決定が確定すると破産者ではなくなります。この期間は同時廃止事件であれば、2~3ヶ月です。そんなに短いのか、と思われる方も多いと思います。

 たしかに借金の返済をしなくなると信用情報機関(ブラックリスト)に5年ほど登録されます。しかしそれは破産の効果ではなく、返済を延滞した結果です。破産者であるのはあくまで数ヶ月です。破産者は会社の取締役になれないなどの資格制限がありますが、それはわずかな期間なのです。

破産同時廃止(同廃) 2011年10月17日

テーマ:自己破産

 破産法という法律では、「裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、破産管財人を選任しなければならない」としています。他方で、裁判所は、破産手続の費用が不足するときは、「破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない」ともしています。

 要するに、破産手続では本来、破産管財人が選任されるが、費用が不足するときは破産管財人を選任せずに破産手続を終了(廃止)するということです。これを破産同時廃止(同廃)といいます。そして名古屋地方裁判所では、破産手続の費用を40万円としているので、債務者の資産総額が40万円に達しない場合に同時廃止としています。破産手続の費用をいくらとするかは裁判所によって異なるので、同時廃止の適用基準も全国一律ではありません。

 法律では破産管財人が選任される破産(管財事件)が原則のように読めますが、現実には同廃事件が破産の9割を占めると言われています。

会社と破産 2011年10月14日

テーマ:自営業者、会社

 同じ事業者といっても個人事業主と会社ではだいぶ違います。当事務所では以下のような事例の経験があります。

①現に営業している会社のみの破産

②現に営業している会社+連帯保証人になっている社長の破産

③現に営業している会社+連帯保証人になっている社長夫婦の破産

④数年前に事実上、倒産した会社の連帯保証人になっている社長のみの破産

⑤会社は営業を継続し、社長のみが破産

⑥会社は営業を継続し、社長以外の取締役のみが破産

 この中で破産管財人が選任されない破産(破産同時廃止)の可能性があるのは、⑤⑥です。過去には④で破産同時廃止になった経験もありますが、現在ではほぼ破産管財人が選任されます。①②③では少なくとも会社の破産に管財人が選任されます。

ニッセン・ジー・イー・クレジットと和解 2011年10月13日

テーマ:過払金返還請求

 先月、訴訟を提起したニッセン・ジー・イー・クレジッットと裁判上の和解をしました。訴訟前はこちらの「過払金の元利合計100万円」という提案に対して、60万円という回答でしたが、訴訟後に100万円という再提案がありましたので、和解しました。

 このように信販会社(カード会社)には訴訟を提起すれば過払金の元利合計の満額を返還するというところが多いです。例えば三菱UFJニコス、セディナ、オリエントコーポレーションなどもみんなそうです。それなら最初から払ってくださいと言いたいです。

破産管財人 2011年10月12日

テーマ:自己破産

 破産管財人とは、裁判官に代わって破産者の財産などを調査し、財産があれば処分し、債権者に配当する役職です。裁判所が弁護士から選任します。

 破産者の財産などを調査するのが仕事なので、財産がなく、他にも問題がないことが明らかであれば破産管財人は選任されません。財産がないとは、総額で40万円に達しない場合です。破産者の多くは財産がないので、破産管財人が選任されるのは破産事件の1割程度と言われています。

 以上はすべて名古屋地方裁判所の例です。他の裁判所(例えば東京地方裁判所本庁)では事情が全く異なることもあります。

自己破産にかかる費用 2011年10月11日

テーマ:自己破産

 個人が自己破産をするのに必要な費用について説明します。もちろん当事務所(及び名古屋地方裁判所)の話です。

 まず破産管財人が選任されない破産(同時廃止事件)の場合は、総額で22万円です。ただし自営業者(元自営業者を含む)または不動産を所有している方は25万とさせていただいています。この金額には司法書士報酬、消費税、印紙・切手代、官報費用が含まれてます。これに対し、破産管財人が選任される破産(管財人選任事件)の場合は、管財人の報酬40万円が加算されます。いずれにせよ分割払いに応じています。

 同時廃止事件になるか、管財人選任事件になるかはある程度、予測がつきますが、当初は同時廃止事件だと思っていたのが、最終的に管財人選任事件になることも(残念ながら)あります。

自己破産と税金 2011年10月07日

テーマ:自己破産

 滞納税金は破産しても法律上、免責されません(破産法第253条)。しかしこれで終わっては、多額の滞納税金のある方は救われません。
 実は国税徴収法という法律に、「滞納処分の停止」という制度があり、これが認められれば税金の納付義務は消滅します。もちろん破産すれば必ず滞納処分の停止が認められるというわけではありません。しかし破産したということは、税金の滞納処分を執行する財産がないということを裁判所に認められたということですから、税務署としても滞納処分の停止を認めやすくなるようです。
 当事務所では破産した方には、「税務署に破産の決定書を見せて、滞納処分の停止を要求してください」とアドバイスしています。

プロミス判決を生んだネオライングループの問題 2011年10月06日

テーマ:過払金返還請求

 昨日のブログで、プロミスがクオークローンの過払金を引き受けるとした最高裁判決を紹介しました。この判決についてはマスコミや専門家がほとんど触れていない問題があります。

 そもそもクオークローンの過払金はクオークローンが返還すればいいのであり、仮にクオークローンが返還に応じていれば、これほど問題にならなかったはずです。ところがクオークローンは平成21年にネオラインキャピタル(株)の子会社になり、(株)クラヴィスと商号を変更しました。このクラヴィスは他のネオライングループと同様、過払金をまともに返還しません。当事務所でもクラヴィスと訴訟をしましたが、結局、過払金の1割弱しか回収できませんでした。

 このような状況のため、クラヴィスに過払金がある者がプロミスに支払を求めるようになりました。その結果が今回の最高裁判決です。このプロミス判決はネオライングループが生み出したものといえるでしょう。

自己破産と自動車 2011年10月06日

テーマ:自己破産

 自己破産により自動車がどうなるかは、自動車ローンが残っているかどうかで分けて考えます。
 
 自動車ローンが残っていない場合で、その自動車に価値があれば処分を命じられます。名古屋地方裁判所の「新・同時廃止に関する運用基準」では「個々の自動車等の処分価格が30万円以上の場合には、換価あるいは処分価格相当額の積立てを指示する」としています。逆に言えば、処分価格が30万円未満であれば、そのまま使用できるということです。名古屋地裁では「処分価格の判断にあたり、推定新車価格が300万円以下の国産車であり、かつ、初年度登録後7年以上経過したものについては、原則として無価値とみなすことができる」としています。

 これに対し、自動車ローンが残っている場合は、信販会社の求めに応じ、自動車を返却することになります。仕事などでどうしても自動車が必要であれば、親族に援助してもらい、古くて安い車を別に購入することは許されています。

プロミスがクオークローンの過払金を引き受けるとする最高裁判決が出ました。 2011年10月04日

テーマ:過払金返還請求

 先月の30日、最高裁判所でプロミス(株)が逆転敗訴しました。判決では、プロミスが子会社であった(株)クオークローンの過払金等返還債務を同社と併存的に引き受けるとされました。これは以下のような話です。

 平成19年、プロミスは子会社であったクオークローンの顧客と切替契約をしました。具体的には、例えばクオークローンから50万円を借りている顧客と切替契約を締結した上で、プロミスが50万円をクオークローンに弁済したのです。これにより顧客のクオークローンからの借金はプロミスからの借金に移行しました。同時に顧客はクオークローンに対して過払金返還請求権を有することになりました。最高裁判所は、切替契約がプロミスのグループ会社再編に伴うものであったことなどを理由に、プロミスがクオークローンの過払金等返還債務も引き受けたと判断しました。この判決により、顧客はクオークローンに対する過払金をプロミスに請求することができるようになります。

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