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自営業者の債務整理 2011年09月15日

テーマ:自営業者、会社

 当事務所は昔から自営業者(個人事業主)の債務整理が多いのですが、自営業者の債務整理は債務整理の中でも難易度が高く、いわば応用問題ともいえます。

 サラリーマンなどと違うのはまず事業を継続するのか、廃業するのかが問題となるということです。債務整理といっても、事業を継続するのか、廃業するのかで方向性がまったく異なります。事業を廃業することを決めてから相談にみえる方もいれば、「できれば事業を続けたいが、だめならやめるしかない」という方もいます。後者であれば、受任後、2ヶ月ほど事業を継続してから結論を出す場合もあります。

 事業を廃業するなら自己破産、継続するなら破産以外の方法(任意整理や個人再生)というのが基本となります。しかしそれだけで済まない場合もあり、それが私が応用問題と言うゆえんです。

過払金の返還は40年前から認められていた。 2011年09月14日

テーマ:過払金返還請求

  過払金の返還請求に関するマスコミの記事で、よく「平成18年1月の最高裁判所の判決を契機に件数が増加した」というものがあります。私もそのとおりだと思います。しかし「平成18年1月の最高裁判所の判決以降、過払金の返還請求が可能となった」とまで言われると、思わず「違います」と声を出したくなります。

 最高裁判所が貸金業者に対する過払金の返還請求を認めたのは、昭和40年代、今から40年以上前のことです。その後、昭和58年に制定された貸金業規制法で、「みなし弁済」が成立すれば過払金を返還しなくてよいとされましたが、それはあくまで例外的に「みなし弁済」が成立したときの話です。「みなし弁済」が成立しなければ、過払金は返還しなければなりません。そしてこの「みなし弁済」はほとんど成立が認められなかったのです。

 私が初めて過払金の返還請求訴訟を扱ったのは、平成12年です。当時から「みなし弁済」を強硬に主張する貸金業者はほとんどいませんでした。

過払金返還請求が増えた本当の理由 2011年09月13日

テーマ:過払金返還請求

 昨日のブログで、平成17年以降、最高裁判所の判例や貸金業法の改正で取引履歴の開示がスムーズになった、と述べましたが、私はこれがその後の過払金返還請求の増加のきっかけになったと実感しています。

 そもそも過払金の請求をするには、取引履歴を利息制限法に基づいて引き直し計算しなければならないのですが、借主が契約書や明細書を完備していることはほとんどありません。したがって過払金の請求は、貸金業者の取引履歴の開示があって、初めて可能になるといっても過言ではありません。

 よくマスコミなどで過払金返還請求の増加のきっかけとして、みなし弁済が事実上、死文化した平成18年1月の最高裁判決があげられます。もちろんそれはそのとおりなのですが、その前後に取引履歴の開示が整備されていったことも見逃せません。

ライオンズリースの取引履歴 2011年09月12日

テーマ:債務整理全般

 名古屋に本社のあるライオンズリース(株)という貸金業者がやっと取引履歴を出しました。6月に受任通知書を送り、取引履歴を請求したところ、開示がなかったので、7月に電話で催促したら、1年半前からのものを出しました。しかし実際の取引は平成13年くらいから始まっていたので、取引当初からのものを出すように連絡したら、「わかりました」とのこと。それでも開示がなかったので、8月に再度、連絡をしたら、「8月中に送る」という回答でした。

 しかし結局、9月になっても開示がなかったので、先週、愛知県庁の中小企業金融課に電話して、取引履歴を開示するように行政指導を求めました。そうしたら、やっと平成13年からの取引履歴が送られてきました。さっそく利息制限法に基づく引き直し計算をしたら、約21万円の過払いでした。

 平成17年に貸金業者の取引履歴開示義務を認めた最高裁判所の判例が出され、18年改正の貸金業法で取引履歴を開示しない貸金業者に対する罰則が定められてから、取引履歴の開示は本当にスムーズになりました。それでもまだこのような業者もあるんですね。

借金は5年で時効 2011年09月09日

テーマ:任意整理

 昨日、私が以前、時効援用通知書を出した貸金業者から、契約書の返還がありました。借主の方から依頼を受け、取引履歴を取り寄せたところ、最後の返済から5年を経過していたので、時効を援用した案件でした。

 貸金業者の債権は、最後の取引(借入又は返済)から5年を経過したときは、時効によって消滅します(商法第522条)。しかし時効が成立しても返済をするのは借主の自由なので、5年を経過しても貸金業者が請求してくることがよくあります。そこで時効を確定させるために、時効の「援用」をする必要があります。当事務所では、時効援用通知書を内容証明郵便で郵送します。

 注意しなければならないのは、最後の返済から5年を経過する前に、判決や支払督促を受けてしまった場合です。この場合は、判決等から10年は時効になりません(民法第174条の2)。

自営業者の自己破産 2011年09月08日

テーマ:自営業者、会社

 本日、自己破産の申立の打ち合わせを予定している方は、昨年の秋に小売業を廃業した元・自営業者です。当事務所は昔から自営業者(個人事業主)の債務整理が多いのですが、自営業者の自己破産はいつも気を使います。それはサラリーマンや無職の方より破産管財人が選任される破産(管財事件)になる可能性が高いからです。

 破産法という法律は、裁判所が破産管財人を選んで、財産の調査、処分を行うという構造になっていて、申立人にめぼしい財産がないときは破産管財人を選ばないとしています。破産管財人が選任されない破産を同時廃止事件といいます。個人の自営業者といっても実際にはめぼしい財産がない場合が多いのですが、それでもサラーリマンよりも財産調査の必要性が大きいと裁判所は考えるわけです。
 
 管財事件になると、破産管財人の報酬を申立人が裁判所に納めなければならず、その額は原則として40万円です。ですから私としてはできる限り同時廃止事件になるように努めなければなりません。

任意整理後の自己破産 2011年09月07日

テーマ:自己破産

 今年の3月に当事務所に自己破産の申立を依頼された方の手続がまもなく終了します。この方は、昨年、東京の弁護士事務所を通じて任意整理をされた方でした。任意整理成立後、毎月、返済をしていましたが、今年になって給料が激減し、生活がやっと、ということで相談にみえました。

 このように任意整理や個人再生をした後に自己破産をするケースは実はけっこう多いのです。そもそも借金の返済は収入から生活費を除いた残りからするものです。ですからかんじんの収入が激減すれば、返済ができなくなるのはやむを得ないことです。この方も、裁判所に提出した書類に給料が減少した事実を明示し、破産が認められました。

任意整理の統一基準 2011年09月06日

テーマ:任意整理

 昨日のブログで、任意整理の将来利息のカットについて触れましたが、今日はもう少し理論的な説明をしたいと思います。

 司法書士が任意整理を行うときは、日本司法書士会連合会の統一基準に従うのが通常です。内容的には弁護士(日弁連)の「任意整理の統一基準」と同じです。統一基準とは要するに、①当初の取引よりすべての取引経過の開示を求めること、②利息制限法の利率によって元本充当計算を行い債権額を確定すること、③支払については、原則として遅延損害金並びに将来利息を付けない、の3つの基準のことです。

 この内、①、②については法律及び判例で決まっているので、現在では問題は少ないです。また③も従来は将来利息をカットする扱いがなされていました。ところが③は統一基準以外に根拠がないので、近年、分割返済の場合には将来利息を付けることを求める業者が出現しています。またネオライングループのように、一括返済しか認めない上で、返済日までの遅延損害金と将来利息を払わなければ和解しない業者もいます。

アイフルが譲歩 2011年09月05日

テーマ:任意整理

 先日、アイフルと1年越しの任意整理が成立しました。当初のアイフルの債権届出額が108万5315円、これを利息制限法で再計算すると56万7407円の残債務になるので、昨年の9月に支払額60万円(月1万円の60回払い)という和解提案をしました。ところがアイフルは、年18%の将来利息をつけた総額108万円でないと和解できないと主張したので、交渉が決裂していました。

 将来利息とは、分割弁済の和解後に元本につける利息のことで、従来、任意整理では全額カットが認められてきました。ところが法律の根拠があるわけではないので、最近は将来利息をつけないと和解しない業者も出てきています。しかし当事務所は今まで将来利息を認めたことはないので、アイフルに対しても拒否したわけです。

 そうして1年近くたった先月、アイフルからなんとか和解できないかという電話があったので、当初の支払額60万円(月1万円の60回払い)という案で和解しました。アイフルとしては和解が成立しなければ1円も支払わない状態が続くだけなので、譲歩したということでしょう。

過払金の元本と利息 2011年09月02日

テーマ:過払金返還請求

 このブログで過払金に関して何度か元本と利息ということばが出てきましたので、今日はその説明をしたいと思います。

 借主が貸金業者から借金をすると、借りたお金(ここでは「借主の元本」と呼びます)の他に利息を支払います。ところが従来、貸金業者の定める利率(たとえば年29%)は利息制限法の利率(たとえば年18%)に違反していたので、超過した部分(この例では29%-18%=11%)の利息は借主の元本に充当できます。それを長年、続けていると借主は元本がなくなったのに借金を返済している状態になります。この状態を過払いといいます。

 このように過払金とは、借主の元本がなくなった後に返済されたお金です。このお金自体が過払金の元本です。これに対し、過払金の利息とは、貸金業者が借主に過払金を返還するまでに過払金に対し発生する利息です。この利率は年5%です。たとえば貸金業者が100万円の過払金を、発生してから1年後に借主に返還するのなら、5万円の利息を払わなければなりません。

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